世界のユニーク建築|建築ジャーナリスト淵上正幸

Via 57 ウエスト
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Vol .3|インドフューチャー・タワーズ

建物はインド中西部のアラビア海に近いプネーにあるアマノラ・タウンに完成した「フューチャー・タワーズ」。

ハウジングを中心とした、商業施設、パブリック・アメニティーを含む延床面積370,000㎡の超巨大な複合施設だ。

1,068 戸のアパートメントは多様な民族を含むインド住民用に、240 タイプもの住戸形式がある。

周囲に広がる400 エーカーの敷地を大きなガーデンとし、基壇部分にはパーキングをはじめ、学校、水泳プール、店舗、カフェ、バー、シネマなどを併設している。

複数の中庭は相互に連結され、住民に居心地の良い社交的な環境を提供。

その他にもハーブ・ガーデン、イベント・プラザ、フラワーポット・ガーデン、運動場、彫刻ガーデンなど盛り沢山だ。

Vol.2|シンガポール レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ

安全都市シンガポールは、著名な海外建築家によるユニークな建築群の街並みが、世界中からの観光客を虜にする。

話題の集合住宅タワー「レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ」は、美しいケッペル湾に映った建物の姿を意味する。

45エーカーの敷地に建つ延床面積185,000㎡、1,129 戸の巨大な豪華アパートメントは、6 棟の高層タワー群と11棟の低層棟で構成されている。

建物は高層棟が直線的な垂直でなく、少し弓形に弧を描いている点が特徴だ。

建築家ダニエル・リベスキンドのデザインは、向かい合う大小の2 棟が会釈しているようで面白い。

大小の2 棟は3本の植栽された空中ブリッジで連結され、それらは見晴らしのよい住人のオアシスとなっている。

Vol.1|Via 57 ウエスト

世界の垂直都市といわれるニューヨークのマンハッタン。

その西側を流れるハドソン川河岸に完成したのが、35階建て高さ142mの超高層マンション「Via 57 ウエスト」だ。

ユニークなのは3角錐形という滅多にお目にかかれない形態だ。

デンマーク出身の売れっ子建築家ビャルケ・インゲルスは多量の自然光が降り注ぐ南西面に着目し、長方形の大きな中庭を挿入。

ハドソン川に開けた中庭は4階レベルで騒音も少なく、低い西日が深度のあるガーデン奥までを照らす。

南西側から高さ142mの頂点へと収束していく3角錐のため、背後の超高層群からハドソン川への眺望を遮らない配慮が心憎い。

広さ約80,000m2、709戸を擁する建物は、斜面の全住戸にテラスがある素晴らしさだ。

淵上正幸
吉祥寺在住。ポヨでよく飲んでいるので、お声掛けください

東京外国語大学フランス語学科卒業。2018年日本建築学会文化賞受賞。

海外建築家との情報交換により、日本に海外建築情報を紹介。

雑誌や書籍の執筆・出版、講演会、海外取材、海外建築ツアーを開催。

主著に『世界の 建築家51人:思想と作品』『ヨーロッパ 建築案内:1~3巻』『アメリカ建築案内1・2巻』など。

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