吉祥寺で暮らす

「吉祥寺グランドデザイン2020」に見る30年後の吉祥寺とは?

セントラルエリア
吉祥寺解説員
吉祥寺解説員
「地元のお店を再発見」をテーマにしたフリーマガジン『吉祥寺時間』です。

この記事では、30年後の吉祥寺の将来像を示す「吉祥寺グランドデザイン2020」をご紹介します。

前回の[【吉祥寺の歴史】吉祥寺駅前の変遷を振り返る]や、前々回の[吉祥寺駅前の再開発事業はどのようなものだったのか]では、1960~1970年代の吉祥寺駅前の「再開発事業」についてご紹介しましたが、今回はこれからの吉祥寺はどうなっていくのか?について調べてみました。

武蔵野市の公式サイトなどを色々と調べてみたところ、自治体や地元商店街の皆さんが長い時間をかけて作り上げた、30年後の吉祥寺の将来像を示すといわれる絶好の「コンセプトブック」が見つかりましたので、その概要を中心にして吉祥寺の将来像をご紹介させていただきます。

今後の吉祥寺の課題|「吉祥寺グランドデザイン2020」

平成4年(1992年)に、武蔵野市(都市開発部)が発行した「吉祥寺~まちづくりのあゆみ~」の最終章「これからの吉祥寺」に、再開発を成し遂げた吉祥寺の今後の課題が記されています。

20年以上前の刊行物なのですでに解決している事項もありますが、現在にも共通する吉祥寺の今後の課題が提示されているので、概要をご紹介しておきます。

吉祥寺の駐車場の問題

吉祥寺の画業地区としての交通容量は限界に達しているにもかかわらず、 通過交通量は非常に多いく、根本的に駐車場が不足している。

吉祥寺の自転車問題

道路上に放置された自転車は、 アメニティを阻害するばかりでなく、 災害時の歩行者の誘導にも憂慮すべき事態となっている。

吉祥寺駅南口の課題

南口については広場がなく本来歩行者専用ともなるべきパークロードにバスを通さざるを得ない状況である。

また、 複数のバス停留所が水道道路沿いにあり、 交通の流れを阻害していること、 井の頭公園との結びつきが明確でないことが課麺としてあげられる。

周辺競合商業地の大型核店舗の進出

周辺競合商業地の市街地再開発による大型核店舗の進出は吉祥寺の商圏を縮小しつつあり、 一抹の不安を抱かせるものもある。

北口駅前マーケット街区の課題

北口駅前マーケット街区については、約3千平米の街区面積内に約120店という店舗が密集し、防災上の面からも問題が多い。

この地区は昭和46年、「防災建築街区造成事業第2地区」に指定されたが、 最終的には権利者の合意を得ることかできず、 現在に至っている。

また、吉祥寺のフェスティバルの一環として 「人間中心のフリータウンをめざして」 と題した
シンポジウムが開かれ、 今後の吉祥寺のあり方を示している意見が出されました。

○井の頭公園は吉祥寺を演出している。井の頭公園こそ吉祥寺のランドマークである。

○吉祥寺の発展は画業都市の面と住宅都市の面がある。一歩裏にはいると道路も整然としていて店が少なく安心する。

○住宅地としての恵まれた環境をこれからも大切にすべきである。

○これからの吉祥寺は、文化的、 近代的な画業地としてちょっとおしゃれをして歩いてみたいような街にしたい。 それには美しい街並みが一番欲しい。

○街づくりといえば任間のことばかりだが、 一日の半分は照明のいる時間、 夜の無明のありかたでその街の印象が変わってくる。 吉祥寺の夜景が気持ちのよいものかどうか考えてほしい。

○住宅地としての魅力もあるので商店街の区域は拡げるべきではない。

○高齢者や体の不自由な、 あるいは、 ベビーカーを押している若いお母さんが快適に楽しめる街になっているか、 という視点でみて、 少しでも改善する努力が必要だ。

「吉祥寺グランドデザイン2020」策定|「吉祥寺グランドデザイン2020」

前章のような「今後の吉祥寺の課題」を解決するべく、武蔵野市は2004年(平成16年)11月に「吉祥寺グランドデザイン委員会」を設置し、吉祥寺の未来を展望し総合的なまちづくりの方向性を定める「吉祥寺グランドデザイン」の検討を開始し、2007年(平成19年)3月に「吉祥寺グランドデザイン」を策定しました。

その後10年以上が経過し、社会状況の変化や消費行動の多様化などに対応するために「吉祥寺グランドデザイン」の時点修正を行うことになり、武蔵野市長や地元の商業関係者、まちづくり関連の有識者、吉祥寺で活動している市民などによる「吉祥寺グランドデザイン改定委員会が設置され、30年後の吉祥寺の将来像を示す「吉祥寺グランドデザイン2020」が、2020年令和2年4月に策定されました。

「吉祥寺グランドデザイン」改定の背景等

■吉祥寺の強み・良さ

1960 年代に開始された吉祥寺駅周辺の都市整備による交通環境の改善、さらに中央線の高架化・複線化による鉄道輸送力の増強が加わり、吉祥寺の商業地としてのポテンシャルが飛躍的に増大しました。

それを受けて、伊勢丹 近鉄 東急等の大型店舗が次々と開店し、東京都屈指の商業地へと成長を遂げました。

回遊性とスケール感を大切にUた当時のまちづくりの考え方は、現在進行中の最先端のまちづくりの思想を先取りしたものとも言え、今なお、多くの人々から支持を受けています。

■吉祥寺の問題点・課題

かつては、新宿より西側の中央線沿線の商業地において、早期に発展を遂げた吉祥寺ですが、他の駅周辺の商業業務拠点としての台頭もあり、更なるまちの魅力が必要となっています。

また、オーバーツーリズム や荷さばき車両等の影響により、 歩行環境が悪化し、安全に滞留できる空間も減少しています。

約半世紀の時間を経た今、徐々に課題も浮かび上がってきています。

■社会の潮流ネット社会の進展によって、 消費行動が変わる!

テレワークの進展等によって、 生き方・働き方が変わる!

新たな価値基準や意識の改革によって、社会が変わる!

将来ビジョン

コンセプト:○○したくなるまち吉祥寺

吉祥寺ならではの個性的で魅力的な空間とにぎわい。

それは、住まう人、訪れる人、みんなの思い、 願いを叶えることのできる、幅広い受容力と懐の深さに支えられた多様性あふれるまち。

「○○するなら吉祥寺」「吉祥寺と言えば○○」そんな各人各様の思い・出来事 ・ 情景が積み重なることで、吉祥寺に対する愛着を育み、 吉祥寺にまた来たくなる動機を呼び起こします。

まちづくりのテーマ

1.ヒト・モノ・コトに出会い、発見する
2.歩いて楽しむ
3.心地よく過ごす

テーマ別の取組み

1.ヒト・モノ・コトに出会い、発見する

素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見したり・・・

“ワクワクさ”や“何か秘めているという期待感”が充満する、出会いと発見が溢れているまち。

買い物、芸術・文化体験、 ビジネスチャンスの発掘等、様々な来街目的を創造・発信し続け、 新しい驚きと感動を体現できます。

2.歩いて楽しむ

吉祥寺がこれまで実現してきた回遊性の高さを活かし、何よりも歩行者が優先され、歩き、とどまることで魅力を感じることができるまち。

バスやタクシールートの工夫・交通規制・基盤整備等によってグランドレベルに徹底して歩行者が最優先される交通環境を整えます。

地下利用も含めた複層利用や電線類地中化等の推進によって、安全・快適な歩行環境を生み出し、にぎわいのある通りを巡り歩いて楽しむことができます。

3.心地よく過ごす

子育て世代、高齢者、外国人をはじめとしたすべての人々に優しく、 生活者も来街者も安心で快適に過ごせる景観やバリアフリーにも配慮したまち。

まちなかの要所には、居心地の良い緑あふれるオープンスペースやベンチ等の憩いの空間、オムツ替えや授乳のスペース、またきれいなトイレがあり、長時間の滞在を可能にします。

災害時のための帰宅困難者が集まる空間や多言語での情報発信システム等の来街者対応を含め、確かな防災力に支えられて安心できます。

エリアごとのまちづくり

エリア区分

セントラルエリア

セントラルエリア

時代に柔軟に対応しながら、魅力的なまちであり続ける。

高度成長期における大々的な基盤整備とそれに誘発された民間開発によって緊栄しましたが、借地を中心に建物更新が進まず、エリア全体で老朽化が進行しています。

多様性を失いつつあるテナント構成、 建物上階の空室率が増加しています。

ウエストエリア

ウエストエリア

関静な住宅地と共存する魅力的な通りと界隈づくり。

大々的な財政投入・資本投下がされた訳でなく、住宅地の通り沿いに自然発生的に発展。

ヒューマンスケールの魅力的な界隈が形成されました。

一方で、来街者・生活交通・荷さばき車両の増加による歩行環境・住環境の悪化が進行しています。

イーストエリア

イーストエリア

新たな芽を育てながら、まちの質を向上。

環境浄化の継続的な取組みが進行中でエリアの環境は徐々に改善されてきましたが、今後は人の流れを誘引する新たな目的性が求められます。

一方で、吉祥寺シアターの立地や音楽スタジオの集積等、 新たな芽が育ちつつあるものの、まだまちのポテンシャルを活かしきれていません。

パークエリア

パークエリア

唯一無二の絶対的強み「井の頭公園」を徹底的に活かす。

井の頭公園へ向かうメインアプローチとして、閑静な住宅地を通り抜ける個性的な界隈が形成されています。

しかし、そこに至るまでの駅前のインフが脆弱なことから、 まだまだ井の頭公園の存在を十分に活かしきれていません。

引用:吉祥寺グランドデザイン2020(吉祥寺グランドデザイン委員会)

まとめ|「吉祥寺グランドデザイン2020」

前回の[【吉祥寺の歴史】吉祥寺駅前の変遷を振り返る]や、前々回の[吉祥寺駅前の再開発事業はどのようなものだったのか]でご紹介した、1960~1970年代の吉祥寺駅前の再開発のコンセプトは回遊性でした。

30年後の吉祥寺の将来像を示す」といわれる「吉祥寺グランドデザイン2020」でも、「歩いて楽しむ」というテーマで回遊性の高さが重視されていて、単純に「近代化を目指す」のではなく、「新しいものと古いものとが共存している」吉祥寺の街の魅力を継続・発展させていこうという、武蔵野市や地元の商業関係者の皆さんの強い意思を感じることができました。

これからも吉祥寺の街が、生活感にあふれる雰囲気を感じさせる、個性的なコミュニティであり続けることを願っています。

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