【聖地巡礼】吉祥寺を舞台にした2つの名作ドラマのロケ地を巡ってみた!

吉祥寺と音楽

繁華街・オフィス街・住宅街・自然公園など、多様な風景を詰め込んだような街「吉祥寺」は、映像映えする街並が多いということもあって、何度もドラマの舞台になってきました。

今回は、吉祥寺が舞台になったドラマ作品の中から、比較的知名度の高いおすすめの作品を2つ取り上げ、そのロケ地をご紹介します。

近所に住む筆者が実際に「聖地巡礼」を行い把握したロケ地の現状も含め、ドラマの魅力と共にご紹介していきますので、是非聖地巡礼の参考にしてみてください。

目次

『グーグーだって猫である』

あらすじ

舞台は吉祥寺。

小島麻子(宮沢りえ)は人気少女漫画家であったが、愛猫のサバが突如息を引き取って以来漫画が描けず、食事も喉を通らない状態が続いています。

ある日、麻子が井の頭公園を散歩していると、病気の子猫を連れたホームレス(田中泯)に出会い、無断で子猫を動物病院へ連れて行きます。

 

ドラマ『グーグーだって猫である』は、少女漫画界の巨星・大島弓子さんによる同名の漫画が原作であり、2008年の小泉今日子さん主演による映画化に続く2度目の映像化となります。

漫画版は原作者の大島弓子さん自身の自伝的ストーリーであり、自身の患った病気のこと、猫との生活を赤裸々に描き、感動を呼びました。

原作者の大島弓子さん本人が吉祥寺に長く暮らしていたこともあって、ドラマの舞台も吉祥寺となっています。

ドラマ版は映画版以上のオリジナルストーリーてんこ盛りで、原作ファンからは「猫があまり出てこない」と不評の声もあるようです。

しかし、井の頭公園近くに住む主人公麻子と猫のグーグーを取り巻く日常を舞台としたゆるいストーリーはそれなりにも好評を博し、続編の『グーグーだって猫である2 -good good the fortune cat-』も制作されるなど、人気作となりました。

監督は映画『ジョゼと虎と魚たち』で知られる犬童一心さん。

今作も犬童さんらしい独自の空気観を心地よく纏ったヒューマンドラマとなっており、原作を踏襲しつつも、ドラマオリジナルのストーリー展開となっています。

 

井の頭公園

『グーグーだって猫である』の作中では舞台となるお店の店名ははっきりとは明かされませんが、たとえば「五日市街道のお蕎麦屋さん」など、吉祥寺に住む人なら誰でもわかるような表現でロケ地の場所をこっそり教えてくれています。

最もわかりやすい「聖地」は、あらすじでも紹介した通り麻子が子猫を連れたホームレスと出会う「井の頭公園」でしょう。

井の頭公園01井の頭公園02

井の頭公園と宮沢りえさんのたたずまいの組み合わせは特に魅力的な「絵」を作り出しており、ここにも犬童監督の腕が光っています。

  • 井の頭恩賜公園
  • 住所:〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1丁目18−31
  • アクセス:吉祥寺駅南口(公園口)から徒歩5分

モッピー&ナナ吉祥寺店

麻子がキャリーバッグを買ったお店として登場する、井の頭通り沿いにあるカラフルな雰囲気のかわいいお店は、「モッピー&ナナ吉祥寺店」

モッピーナナ

ここは、「ペットは大切なパートナー」をモットーに、ペット向けの良質なフードやグッズ、サービスを提供する、「生体を扱わないペットショップ」。

中でもドッグフードを中心に総合栄養食として人気のオリジナルフードは吉祥寺最大の品揃えを誇り、非常に評価の高いお店です。

  • モッピー&ナナ吉祥寺店
  • 住所:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町3丁目8−11
  • アクセス:吉祥寺駅北口から徒歩8分(井の頭通りを西に歩くと着きます)

やぶ浅

麻子と大森が蕎麦を食べた「やぶ浅」も、第一話で登場したこともあり印象的でしたが、このお店には主演の宮沢りえさんのサインもあり、聖地巡礼には欠かせないお店です。「やぶ浅」は大正12年から続く名店です。

やぶ浅

  • 蕎麦屋「やぶ浅」
  • 住所:〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2丁目10−15
  • アクセス:吉祥寺駅北口から徒歩3分(駅前通りを東側に歩くとあります)

喫茶店「シェモア」と、お好み焼き屋さん「まりや」

そして本作では、吉祥寺の人気飲食店の中でも、あまりメディアでは目立って紹介されないような地元民向けの老舗も多く登場します。

中でも目立っていたのが喫茶店「シェモア」と、お好み焼き屋さん「まりや」

どちらも吉祥寺で50年以上の長きにわたり営業されている老舗店で、ドラマでもかなり重要な場面で使われています。

 

前者は弓子の大学時代の友人である智子(西田尚美・光宗薫)との再会と思い出を分かち合う場所として、後者は長きにわたり麻子の面倒を見てきた編集者大森の結婚を打ち明けられる場所として。

しかしドラマ放映後、シェモアの方は2017年に閉店、まりやの方は2020年に旧店舗から移転してしまいましたので、現時点では「聖地巡礼」できなくなってしまいました。

ヨドバシカメラ脇にあったまりやの旧店舗は既に取り壊され、跡地は駐輪場になっています。

シェモアの建物も既に取り壊されており、その跡地には吉祥寺でも有名なシガーバー「Arg」が移転しました。

ARG01           ARG02

Argは、昼はカフェ、夜は500種以上のお酒と50種類のシガーも楽しめる、クラシック音楽流れるオーセンティックなバーとしてリニューアルされました。

個性的だったシェモアの面影はありませんが、これはこれで、吉祥寺南町の閑静な雰囲気にあったお店といえそうです。

  • お好み焼き「まりや」
  • 住所:旧店舗(取り壊し済み):〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目18 現店舗:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目30−16 2 階 2FA号
  • アクセス:吉祥寺駅北口から徒歩4分

 

  • Cafe salon & Bar Arg (喫茶「シェモア」跡地)
  • 住所:〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1丁目18−23 MINAMICHO GARDEN 1F
  • アクセス:吉祥寺駅南口(公園口)から徒歩3分

 

『愛していると言ってくれ』

あらすじ

女優の卵・水野紘子(常盤貴子)は、幼馴染の矢部健一(岡田浩暉)と一緒に、都会のど真ん中にあるはずもない「リンゴの木」を探して表参道を歩いていました。

絶対に見たといってきかない紘子に呆れ気味の健一を置き去りに、紘子は目的のリンゴの木を探し回りますが、果たしてとある家の庭に目当てのリンゴの木を発見し、ジャンプして実を取ろうとしますがなかなかうまくいきません。

たまたま近くの喫茶店からその様子を見ていた、聴覚障害を患った画家の青年・榊晃次(豊川悦司)が紘子の目の前に現れ、簡単にリンゴの実を取ってみせ、紘子に投げ渡しました。

その数日後、紘子が井の頭公園の野外ステージで舞台演技の練習をしていたところに、偶然ふらりと晃次が現れたり、そのまた数日後にたまたま紘子が晃次のスケッチを発見したりしながら、だんだんと距離を縮めていきますが、ある日紘子は、ひょんなことから晃次の耳が聞こえないことを知ることになります。

『愛していると言ってくれ』は、1995年にTBS金曜ドラマ枠で放映された恋愛ドラマで、主演を常盤貴子豊川悦司が、主題歌をDREAMS COME TRUEが担当しました。

脚本はトレンディドラマの名手として当時絶世の人気を誇り、『ロングバケーション』や『ビューティフルライフ』『空から降る一億の星』といった名作恋愛ドラマを次々に世に送ったことで知られる北川悦吏子氏が全編を手掛けています。

主演の「トヨエツ」の豊川悦司の甘いマスクと、常盤貴子の美貌、この組み合わせが恋愛ドラマにとって理想的な絵なのは間違いありません。

それに加えて、「障害を乗り越えながら愛を深めていく」という決して華やかではない、深い心のつながりや葛藤を丁寧に描く恋愛ドラマであったことでも人気となりました。

視聴率は常時20%超え、主題歌のDREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」は総売上250万枚を突破し、大ヒットを記録したドラマです。

2020年に特別版として再放送されたことで、25年の時を経て再び大きな話題となったこのドラマは、ほぼ全編にわたり吉祥寺を舞台に物語が展開していきます。

お馴染みの吉祥寺の在りし日の街並みの中で繰り広げられるドラマということで、今も変わらない風景も多く映り親しみも感じられつつ、携帯電話のない時代にこそあった愛を深める二人の距離やすれ違いは、今の時代には逆に新鮮に映るでしょう。

 

井の頭公園(七井橋周辺)

舞台となっている吉祥寺においても、特に地元に住んでいれば親しみ深いであろう井の頭公園や駅周辺を中心に、色々な場所がロケ地に使われており、このドラマだけでも聖地巡礼には事欠きません。

特に『愛していると言ってくれ』では、名シーンが多く撮影された主な聖地が3つあります。

まずは、紘子が舞台の練習をしていた野外ステージがあり、晃次が絵を描いていた場所としてよく登場した「井の頭恩賜公園(の特に七井橋周辺)」

 

ここは、別のドラマでも多数用いられている有名な場所ですが、休日ともなるとひっきりなしに人が行き交う、井の頭公園の中でもメインスポットとして知られている場所です。

平日でも、地元のご年配を中心に朝から昼にかけては色々な年齢層の人々がウォーキングやラジオ体操をしており、ペットを連れて散歩している人の姿もちらほら見受けられ、地元民の憩いの場となっています。

 

  • 井の頭恩賜公園
  • 住所:〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1丁目18−31
  • アクセス:吉祥寺駅南口(公園口)から徒歩5分

南町1丁目にある井の頭線の踏切

もう1つドラマでよく出てきたのは「南町1丁目にある井の頭線の踏切」です。

踏切

涙する紘子を晃次が抱き寄せたシーンをはじめ、名シーンが多く撮影されたこの踏切は吉祥寺南町1丁目にあり、井の頭線と水門通りが交差する位置に存在します。

ドラマ放映から25年以上が経ちましたが、周辺の建物も含め、変わらない当時の面影を残しています。

この踏切は許可を得やすいのか、他のドラマでも多く撮影されているようです。

駅からは若干離れた閑静な場所にあり、ドラマの聖地巡礼以外で訪れる人はほとんどいないので、今のご時世にもおすすめの聖地となっています。

  • 南町の踏切
  • 住所:〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1丁目32
  • アクセス:吉祥寺駅南口(公園口)から徒歩7分

京王井の頭線 井の頭公園駅

そしてなんといっても『愛していると言ってくれ』ファンにとって欠かせない聖地といえば「京王井の頭線 井の頭公園駅」でしょう。

JR吉祥寺駅から歩くと意外と遠く、井の頭線各駅停車で1駅移動したほうが楽かもしれません。ひっそりと佇む駅でもちろん急行は止まらないので、間違って急行に乗らないよう注意しましょう。

この駅は、『愛していると言ってくれ』の中でも屈指の名シーンの舞台となっていて、最終回で駅のホームの向かい側に立つ紘子に向かって、晃次が出せないはずの声を絞り出して「紘子!」と呼び掛けたシーンでもお馴染みですよね。

もし『愛していると言ってくれ』の聖地巡礼をするなら、吉祥寺駅南口から左へまっすぐ行き、末広通りの「白髭のシュークリーム工房」すぐ先の角を右折しましょう。

白髭のシュークリーム工房

そこで水門通りに合流するので、そのまま井の頭通りを横断しずっとまっすぐ道なりに南下していくと、2人が抱き合った「あの踏切」を丁度通ることができ、そのまま井の頭公園駅にも向かえますよ。

もう1つ先の駅である三鷹台の駅前の神田川沿いには、晃次が走っていた川沿いの遊歩道や、紘子の暮らすアパートも現存しています。

  • 京王井の頭線 井の頭公園駅
  • 住所:〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目35
  • アクセス:吉祥寺駅南口(公園口)から徒歩11分 京王井の頭線「吉祥寺」駅から電車(各駅停車)で1分

 

まとめ

以上、吉祥寺を舞台にしたドラマの中でも特に印象的だった作品、新旧2作品に絞って、ストーリーを思い起こしながら改めて聖地巡りをしてみました。

それぞれのドラマの聖地を巡ってみると、既に建物が取り壊されたり、様相が変わってしまった場所もありましたが、逆に今もなおドラマで映っていた頃のままの面影を今に残している場所もあり、満足感の高い「聖地巡礼」になりました。

特に名作と名高いドラマの聖地を意識しながら、改めて吉祥寺で街歩きをしてみると、ドラマの登場人物たちの織り成す物語の一員になれた気がして、心にじんわりとした感動や感慨深い気持ち、満足感が広がっていきます。

これこそが聖地巡礼の魅力と言っていいでしょう。

吉祥寺を舞台にしたドラマには他にも『GTO』『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』『俺達の旅』『火花』といったように多数存在しますので、興味がある方は調べてみてくださいね。

近くに住む方も、遠くに住む方も、今度の週末にはお気に入りのドラマをもう一度見返したうえで、ドラマの舞台としての吉祥寺、「聖地」としての吉祥寺を改めて楽しんでみてはいかがでしょうか。

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