「吉祥寺で激安の定食が450円で食べられるとしたら?」
「そんなことありえない」と言うでしょうか。
「美味しくないに決まってる」と言うかもしれません。
そう言われたらこう言ってやりたい。
「まずはまるけん食堂に行ってみてくれ」と。
今回は、吉祥寺で500円以下の定食が食べられると聞いて「まるけん食堂」に行ってきました!
雰囲気や味、価格帯といった気になる情報に加え、長いあいだ多くの人に愛されている理由についても迫っていきます。
働く男女のランチ代は600円未満
ランチの捉え方は人それぞれです。
午後も頑張るためにしっかり食べたい派から、朝にしっかり食べて昼は軽めに済ませたい派、食べない派まで。
皆さんは、ランチにどのくらいの費用をかけているのでしょうか?
働く男女にとっては悩ましいところです。
新生銀行グループが実施した「2019 年サラリーマンのお小遣い調査」によると、
男性会社員の一日の昼食代は、前年の570円から15円減少し、555円となりました。年代別にみると、50代以外で減少しています。
女性会社員の一日の昼食代は、前年の586円から5円微減し、581円となりました。男性会社員と比較して、いずれの 年代も、男性会社員よりも高くなっています。引用:男性会社員のお小遣い額は 36,747 円と過去 2 番目に低い金額 -「2019 年サラリーマンのお小遣い調査」結果について
男性会社員と女性会社員における昼食代の平均は600円未満で、やや減少傾向にあることが分かります。
また、JOYLAB株式会社が2019年に実施した「「節約」に関するアンケート」では、
「平均のランチ代を教えてください」と質問したところ、『500円台(24.2%) 』と回答した方の割合が最も多く、次いで『300円以下(22.8%)』『400円台(20.3%)』『600円台(9.9%)』と続きます。
1日のランチ代をワンコイン以下と決めているサラリーマンの方が7割近くいるようです。引用:【サラリーマンのランチ事情を徹底調査】7割近くのサラリーマンがランチはワンコインで済ませていることが判明!涙ぐましい努力エピソードを一挙大公開!
子どものいる男性会社員の約7割がランチ代を500円以下に抑えているというデータも出ています。
家庭を持つ身であれば、なおさら苦心する問題でしょう。
食費を節約したいと思っていても、お弁当を持参するのも簡単ではありませんし、コンビニばかりでは栄養が偏ってしまう可能性もあります。
500円未満で、栄養がとれる、あたたかいご飯が食べたい。
そんな働く男女の贅沢な夢を実現してくれるのが、吉祥寺の「まるけん食堂」なのです。
激安でウマいと噂の「まるけん食堂」へ実際に行ってみた!
今回は、激安が噂のまるけん食堂で定食をいただいてきました!
気になっているけど行くのをためらっている方は、出かける準備をしながら読むことをおすすめします。
大通りから徒歩5分の住宅街に突如として現れる
吉祥寺駅北口から目の前の商店街「サンロード」を端まで真っ直ぐ歩きます。
サンロードを抜けた先の道路を渡り、今度は「紳士服はるやま」と「リカーオフ」の間を真っ直ぐ進んでいきます。
駅から徒歩で9分ほど、まさに閑静な住宅街といった場所に姿を表したのは、白地に縦書きの赤文字で「まるけん」と書かれた看板です。
このあたりで見えるというのは知っていたものの、思っていた以上に謙虚だったのでなかなか見つけられませんでした。
正面に来ると、レンガに埋もれるお店はいかにも「町の定食屋」といった佇まいです。
すこし薄くなった看板や暖簾から、最近できたばかりのお店にはない哀愁を感じます。
入り口にはおすすめのメニューが
お店の入り口には、おすすめのメニューが掲げられています。
「450円!?」
失礼。大きな声が出てしまいました。
吉祥寺において、この値段で定食が食べられるお店は見たことも聞いたこともありません。
ただ、油断してはいけない。
定食屋をはじめとする、いわゆるご飯屋さんで重要なのは<味>です。
まだ実際の定食を見ていないので、ここでは「安い!」という言葉を飲み込みました。
「一品」という項目があるので、単品でも注文できるようです。
コロッケ定食、メンチカツ定食、ニラレバイタメ、アジフライ。
この時点で気になるメニューに目星をつけておいて、さあ入店です。
レトロチックな店内は心が落ち着く
入店前に入り口付近での消毒を促されました。
各テーブルにも透明なアクリル板が設置されていて、このあたりが徹底していると、いまの時期でも安心ですね。
店内には、合わせて14席が用意されています。
入店すると、まるで何度も来たことがあるかのように、雰囲気が体に馴染みます。
長らく忘れていたような、でも知っているような匂いに、体が喜んでいるのが分かりました。
いまではあまり見なくなった形の椅子、小さく響くテレビの音、手書きのメニュー。
全てがどこか懐かしく、落ち着いた空間です。
<そそる>メニューはどれも激安!
店内には、表のホワイトボードにはなかったメニューがかけてありました。
ここには丼ものやごはんもの、一品ものが多いようですね。
改めてみると、値段の安さはもとより、筆者を<そそる>メニューが目白押しです。
店内には気になるディスプレイが
座った席の正面には、ディスプレイ用の棚がありました。
統一感なんて微塵も気にしていない感じがたまりません。
「Musashino ごちそうフェスタ」の飲食部門で「ムサラングランプリ2008」を受賞したときの盾も並ぶなか、気になる物を見つけました。
「Musashinoごちそうフェスタ」とは、「武蔵野の飲食・食品店で食事や買い物を楽しんでもらい、地元の物産、逸品を知っていただく」というコンセプトのもと、武蔵野商工会議所が主催している武蔵野市最大の「食の祭典」イベントです。内容を少しずつ変更しながら続いており、2021年で第16回を迎えます。
小ぶりな写真立てに入った白黒の写真には「中華そば まるけん」の文字!
どうやら、かつては中華そば屋さんだったようです。
今日までに、長い歴史を歩んできたことがうかがえます。
頼んだのは「メンチカツ定食(450円)」と「玉子焼(230円)」
優柔不断な筆者が決断にかなりの時間を要していると、店主の方が料理を丁寧に説明してくれました。
迷った挙句、ワンコイン以下で食べられる「メンチカツ定食(450円)」と、どうしても食べてみたかった「玉子焼(230円)」を注文することに。
厨房から聞こえる揚げ物の音やキャベツを刻む音に、気もそぞろです。
定食がやってきました。
驚いたのは玉子焼のフォルム。
出てきた姿は、なにか他の卵料理を想起させる気がします。
どおりで、出てくる前にケチャップを手渡されたわけです。
「いっぱいかけていいよ!」なんて笑いかけられながら、ケチャップを絞ります。
そんな距離感の近さも、あたたかくて嬉しいですよね。
メンチカツは、キャベツが敷き詰められた上に2個のっていました。
メンチカツ定食を見る限り、ワンコインでおつりがくるとはとても思えません。
ただし、最も重要なのは味なのです。
それを確かめるために、今日はやってきたのです。
さっそくいただいてみましょう。
まずは、お味噌汁から。
お椀を引き寄せると同時に、味噌の香りが顔全体を包みます。
ひとすすり。
慣れ親しんだ味に心が落ち着きました。
口を潤したところで、メンチカツにいきましょう。
テーブルに備え付けのソースをかけていただきます。
噛んだ瞬間、小気味良い衣の音が。
やけどしそうなほど熱い肉汁が、口のなかを満たします。
その満足感といったら、とうに1,000円分は超えているのではないでしょうか。
2口目はご飯と一緒に。
メンチカツで満たされたところに、白いご飯を押し込む。
ソースを介して結ばれたメンチカツとご飯は、まるで長年のバッテリーのようです。
3口目は、ソースに浸したキャベツと一緒が良いでしょう。
揚げ物の罪悪感が、やや太めの千切りキャベツによって薄まっていくのが分かります。
続いては、みなさんも気になっているであろう玉子焼へ。
箸で触れると、全体が揺れます。
これは相当やわらかそうです。
赤ん坊の肌に触れるように、箸をいれていきます。
切っていくと、断面に半熟の薄黄色が顔を出します。
ケチャップと絡めていただきます。
これは!いわゆる「卵焼き」の味ではない!
半熟の食感やケチャップとの相性は、なにか別の卵料理に似ているような気がしましたが、これがまるけんの「玉子焼き」なのだと、舌に記憶しました。
絶妙な焼き加減で、もちろんファンになりました。
しっかりと完食。
幸福度の高さに見合わない値段を心配しながらも、お言葉に甘えて780円だけを払って店を出ました。
まとめ|「まるけん食堂」の魅力は値段だけじゃない
食事の時間を充実したものにするには、味や空間も大切です。
まるけん食堂において、定食が500円以下で食べられるのは確かに魅力的でしょう。
ただ忘れてはいけないのが、安さ以外の魅力もあるということです。
歴史を経て培われたものは裏切らない。
人当たりの良いご夫婦が、心が落ち着く空間で、美味しい定食を提供してくれる。
その空間自体が、本当の魅力だと言っても過言ではないでしょう。
コンビニ弁当や持参のお弁当も良いけれど、たまにあたたかいご飯を食べたって、バチは当たらないと思うんです。
住所 | 武蔵野市吉祥寺東町1-6-14 |
電話番号 | 0422-22-4250 |
営業時間 | 11:00〜15:00、17:00〜21:00 |
休業日 | [休]月曜・第3日曜※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
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