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溢れるじいちゃんへのリスペクト 昭和20年から続く漬物屋のBAR
一杯引っ掛けよう。
そう思い立ったら足は勝手に北口に向いていた。もはや言うまでもない。ハモニカ横丁は酒飲みのパラダイスだ。
戦後のヤミ市をルーツに持つこの界隈がもたらすタイムスリップ感は、平成を飛び越え、意識は昭和初期まで飛んでいく。
個性的な飲み屋が並ぶこの横丁で、ひときわ違和感を覚える暖簾が目に止まる。
「漬物BAR?」聞けば昭和20年創業の漬物屋のBARだという。店に立つ兄弟は四代目、昨年他界した二代目へのリスペクトが店を開いたきっかけ。
この味を広めたい、知ってもらいたいと思うほどじいちゃんの背中は強烈だった。じいちゃんから学んだのは「継続は力なり」。その言葉は漬物屋の仕事そのものを表すといってもいい。
先祖から受け継いだ創業から続くぬか床は、朝晩の手入れが欠かせない。使うのは塩水とぬかのみ、ごまかしは効かない。出しているのは浅漬け、中漬け、深漬けのぬか漬け3種と塩漬け。
深漬けになるほど酸味が増し、漬かる時間が長くなるほど乳酸菌が発酵して旨味を醸し出す。深漬けの強い酸味は、酒の香りを爽やかにし、口の中をリセットしてくれる。日本酒、焼酎、ワインにも合う。
なるほど、うまい酒をしっぽり呑みたいなら最高のアテだ。
古今東西ごちゃ混ぜだけどなんかいい。そんなこの街らしさを堪能できるBARだった。
住所 | 武蔵野市吉祥寺本町1丁目1−8 |
交通アクセス | 吉祥寺駅 東口徒歩2分 |
電話番号 | 0422-22-7621 |
営業時間 | ■1号店 18:00〜 ■2号店 20:00〜 (10:30から17:00は漬け物専門店 清水屋として営業) |
休業日 | 不定休 |