コラム

夜どうなっているのか知りたい|吉祥寺時間コラム

夜どうなっているのか知りたい

夜の井の頭公園を散歩してみたいとずっと思っていた。
けれど、ひとりで行ってみるのは心もとなく、なかなか機会に恵まれずにいた。
八月も終わりに差し掛かった頃、今年初めの映画の現場で一緒になり、すっかり仲良くなった照明部の友人と遅めの時間から吉祥寺で飲むことになった。

店を出たあと、二人の足は自然と井の頭公園へと歩き出す。

夜の井の頭公園は、自分たちと同じように散歩をしている人や、暑くなる前に犬の散歩を済ませようとしている人、ランニングをしている人が点在しているだけだった。

普段は池に散り散りになっているスワンボートも行儀よく整列している。

動物園の動物たちもきっと今は眠っているのだろう。

人間が生活するすぐ傍で動物が暮らしていると思うと不思議な気持ちになった。

 

「人とすれ違いそうになったらゾンビの真似をして驚かせよう」と話していたが、次に出くわしたのが警備員だったのでやめた。

野球場まで歩き、誰かの忘れ物のバットとボールで遊んだ。公園のブランコだって、子供がいない夜なら大人が乗ったっていい。

気づいたら汗をかくほどはしゃいだ。

今年の夏は海もプールも行けないまま、あっという間に終わってしまった。

 

わたしの唯一、夏らしい思い出がこの夜かもしれない。

 

ポークジンジャー

お腹が空いたが自炊も面倒…そんな時は「カヤシマ」へ向かう。

初めて「カヤシマ」へ訪れたのは、まさに「吉祥寺時間」のライター面接時だった。

レモンソーダを注文し、編集長たちが来るのを待っていたが、某ビールメーカーのジョッキに入って運ばれてきたので、昼から酒を頼んだと思われるのではないかと内心ヒヤヒヤした。

「ここは、豚の生姜焼きを『ポークジンジャー』って記載しているんだけど、それが言い得て妙なんだよ!」
面接時にそう語っていた編集長の言葉を思い出し、メニューを見ると、ポークジンジャーカレーという、なんともよくばりなメニューがあったのでそれを注文する。
「確かに、これはポークジンジャーだ!」

ほんのり甘い味付けの豚肉が、具材の角が取れるまで煮込まれた辛口カレーとマッチする。

「豚の生姜焼き」と「ポークジンジャー」。

言葉の持つ意味に違いはないが、表記によって味のニュアンスの線引きがされている気がする。

カヤシマの味は、たしかに紛れもない「ポークジンジャー」だった。なぜだろう、それがしっくりくるのだ。

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