目次
弁天湯
銭湯を愛してやまない私の今日の目的地は弁天湯である。
入浴料と貸しタオル代は合わせて五百円ぴったり。
手ぶらで、ふらっと立ち寄れるのがありがたい。弁天湯の売りは日替わり薬湯や放電量が絶妙な電気風呂であるが、私はジェット風呂が特に気に入っている。しっかりと冷たい水枕に首筋をのせ、ジェットを凝り固まった背中に当てると頭の中がすっと冴えわたる。蒸し暑い日はこの水枕が恋しくなって、つい足が向いてしまう。
銭湯は季節を選ばない。
春は桜を見に行く前にさっと浴びていけば、花の香りをより強く感じながら宴会に向かうことができる。夏は仕事や学校帰りに水風呂に入っていくとよい。きっと家に着くまでずっと涼しく、湿った風さえも心地よく感じる。秋は薬湯がおすすめだ。季節の変わり目にはこれが一番効く。冬はじっくりと温まること。凍えた手足をよく揉んで、神経が隅々まで戻っていくのがなんとも気持ちがよい。暖簾越しに外気を感じ、身体も心もぽかぽかとしていれば、つい嬉しくなって、どこかに飲みにでも行こうかと考えてしまうのが人間というものである。
高揚した気分のまま夜の散歩へ向かう前に、もう一つ弁天湯の良いところ。牛乳や甘酒、コーラや柑橘系などドリンクの種類が多い。湯上りの極上の一杯のため入浴する人もいるくらい、これは銭湯を語る上で外せないポイントである。私は冷蔵庫の前で散々悩んだ挙句、いつものように珈琲牛乳を手に取った。
住所 | 武蔵野市吉祥寺本町2-27-13 |
交通アクセス | 中央線「吉祥寺」駅北口 徒歩7分 |
電話番号 | 0422-22-8307 |
営業時間 | 15:40〜23:00 |
休業日 | 木曜日 |