みなさんは最近、銭湯へ行っていますか?
貧乏学生が「風呂無しアパート」に住んでいた時代ならともかく、自宅に浴室がある方が圧倒的に多い現在、少なくとも必要に迫られて銭湯へ通っている人は少数派だと思います。
しかし、家の風呂が故障した時などに、止むを得ず暖簾をくぐった銭湯の広い湯船に浸かってみて、その開放感に改めて気付いて、定期的に通うようになった方も少なくないようです。
今回は、吉祥寺とその周辺駅に今なお残っている、都会のオアシス「銭湯」を調査してみました。
弁天湯(吉祥寺)
引用:東京銭湯マップ
「吉祥寺」駅から徒歩7分の住宅地、「藤村女子高校」の隣にある「弁天湯」は、1946年(昭和21年)に開業した老舗の銭湯です。
浴室は天井が高く広々としていて、富士山の壁絵が描かれていて、まさに古き良き時代の「昭和の銭湯」の雰囲気そのまま。
ラドン・ジェット・電気風呂、日替わり薬湯とお湯の種類も充実していて、湯温は41~42度なので長湯があまり得意ではない方でも無理なく浸かっていられます。
シャンプーとボディーソープが洗い場に備え付けられていて無料で借りることができ、貸しタオルもあるので手ぶらで気軽に入れるため、井の頭公園ランナーの方々にも大好評。
2014年頃まで「風呂ロック」というライブイベントの会場になったことから定期的に訪れるファンが多く、脱衣場にはその頃の写真が飾ってあります。
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-27-13 |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅より徒歩7分 |
電話番号 | 0422-22-8307 |
営業時間 | 15:40~23:00 |
休業日 | 木曜日 |
よろづ湯(吉祥寺)
引用:東京銭湯マップ
「吉祥寺」駅から一番近い銭湯「よろづ湯」は、ヨドバシカメラ周辺の飲食店街にあり、周りのビルがオシャレになっていく中で、昭和レトロな雰囲気を残し続けている銭湯です。
大きな煙突があるわけではないので目立ちませが、路地を進んで玄関正面にたどり着き、ようやく暖簾に「ゆ」の文字が確認できます。
下駄箱も木製の札のようなカギを使うタイプで、駅のすぐ近くに、こんな昭和時代にタイムスリップしたような銭湯があるのは驚きです。
湯船は2つで、広めのものと、小さいけれど深いタイプのものがあり、お湯は井戸からくみ上げた水を沸かして使っているそうです。
浴室の壁面に描かれた富士山のペンキ絵やその下にある金魚などのモザイクタイル絵を眺めながら、超音波ジェットバスなどのお風呂でゆったり寛げます。
「タオル+ボディーソープ+リンスinシャンプー」の「お風呂セット」を販売しているので、手ぶらで訪れても大丈夫。
住所 | 武蔵野市吉祥寺本町1-18-9 |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅から徒歩3分 |
電話番号 | 0422-22-3235 |
営業時間 | 16:00~24:30 |
休業日 | 土曜日 |
アサヒトレンド21(三鷹)
引用:東京銭湯マップ
「三鷹」駅から徒歩3分の「アサヒトレンド21」は、「朝日湯」として開業した銭湯が平成2年にリニューアルした露天風呂付銭湯です。
露天風呂の他に「バイブラバス」「電気風呂」「あつ湯」「水風呂」等の多種の浴槽や「サウナ(有料)」があります。
シャンプー・リンス・ボディソープは各30円で販売しているので、タオルなどの最低限の用意で足を運ぶことができます。
ここでは「荷物の一時預かり」が可能なため、井之頭公園ランナーが荷物を銭湯のロッカーに預けて一風呂浴びている光景も良く見られます。
住所 | 東京都三鷹市上連雀2-7-1 |
交通アクセス | 「三鷹」駅から徒歩3分 |
電話番号 | 0422-43-1777 |
営業時間 | 15:30~23:30 |
休業日 | 金曜日 |
春の湯(三鷹)
引用:東京銭湯マップ
三鷹市から徒歩3分の「春の湯」は、昭和32年に創業し平成3年に改築した、マンションの1階部分にある銭湯です。
イタリア製タイルで彩られた浴室は八角形の洗い場が印象的で、風呂は地下110mから汲み上げた井戸水を使用しており、薬湯や座風呂のほか、熱めのお風呂が好きな方はうれしい43度の高温湯、水風呂、サウナ(塩サウナと遠赤外線サウナ)、立ちシャワーなどを設置。
フロントには、自作の油絵を展示してあり、いつも花が綺麗に活けてある、落ち着いた雰囲気が漂う空間です。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-37-12 |
交通アクセス | 「三鷹」駅から徒歩3分 |
電話番号 | 0422-43-5832 |
営業時間 | 16:00~24:00 |
休業日 | 木曜日 |
文化湯(西荻窪)
引用:せんとう.jp
「西荻窪」駅から徒歩5分の「文化湯」は、入口が1階部分でお風呂は地下にありますが、光が差し込む大きな窓があり、天井が高く、開放感が抜群です。
湯船は1つだけですが、お風呂の中に細かな気泡による振動が伝わってバスとマッサージの効果があるバイブラバス(超音波風呂)とジェットバス(寝かせ湯)があるので、新陳代謝の促進やマッサージ効果によってストレスを解消。
「昭和レトロ」な雰囲気をしっかり感じられ、清掃が行き届いていて清潔感に溢れていて、「誰もが気軽に入浴できる」と評判になっています。
住所 | 東京都杉並区西荻北4-3-10 |
交通アクセス | 「西荻窪」駅から徒歩5分 |
電話番号 | 03-3390-1051(お電話は午後以降にお願いします) |
営業時間 | 16:00~24:00 |
休業日 | 月曜日 |
入浴料(東京都)について
東京都内の銭湯の入浴料金は、都道府県知事が「統制額」として決定しているため、基本的にはどの銭湯でも同じ料金です。
■銭湯の料金(東京都)※2020年11月現在
・大人(12歳以上):470円
・中人(6歳以上12歳未満):180円
・小人(6歳未満):80円
■入浴料の推移(物の値段との比較)
年 | 入浴料(大人) | 物の値段 |
---|---|---|
大正5年(1917年) | 4銭 | かけそば:4銭 |
昭和25年(1950年) | 10円 | コーヒー:20円 |
昭和30年(1955年) | 15円 | 牛乳1本:15円 |
昭和46年(1971年) | 40円 | ハンバーガー:80円 |
昭和50年(1975年) | 100円 | ハンバーガー:150円 |
昭和57年(1982年) | 230円 | かけそば:300円 |
平成2年(1990年) | 310円 | ビール:320円 |
現在 | 470円 | 牛丼(吉野家):387円 |
年々減少していく「都会のオアシス」
東京都内の銭湯の数の推移を調べてみたところ、この10年間で約4割の銭湯が廃業していることが分かりました。
年 | 公衆浴場の総数 |
---|---|
令和元年(2019年) | 520 |
平成30年(2018年) | 544 |
平成29年(2017年) | 562 |
平成28年(2016年) | 602 |
平成27年(2015年) | 628 |
平成26年(2014年) | 669 |
平成25年(2013年) | 706 |
平成24年(2012年) | 741 |
平成23年(2011年) | 766 |
平成22年(2010年) | 801 |
平成21年(2009年) | 840 |
減少の主な原因としては、
○一般家庭への浴室の普及による利用客の減少
○経営者の高齢化および後継者の不足
○オイルショック以降ずっと続いている燃料費の高騰
○スーパー銭湯等の類似代替施設の台頭
○施設の老朽化
などが考えられます。
大変残念ですが、毎年毎年、約30件強の銭湯が無くなっていることになります。
まとめ
毎日の入浴は、自宅の浴室で手軽に済ませる方が楽に決まっていますが、たまには時間を作って銭湯へ行ってみてはいかがでしょうか。
広い浴槽にゆったりとつかって、たまたま居合わせたご近所さんと世間話をしたり、上がった後に久し振りにコーヒー牛乳を味わったり。
湯上りの帰りに、地元の飲み屋や街中華に寄り道するのも、いいですね。
今ならまだ、銭湯の醍醐味を味わえますよ。