コンパクトなエリアに商業施設やリクリエーション施設などが密集する吉祥寺。徒歩だけでもいろんな場所に移動できますが、少し離れた公園などに行くためにはバスや自転車が必要です。武蔵野市内を走行するコミュニティバス「ムーバス」もありますが、小回りのきく自転車が便利です。実は吉祥寺駅の駐輪場でレンタサイクルを利用できます。
レンタサイクルを利用する前に、移動プランやスケジュールなどを準備しないといけません。そこで今回、「レンタサイクルを使って3時間で吉祥寺周辺の公園を回れるのか?」というミッションを考案し、実際に遂行できるのかを検証してみました。
本当にコンパクトな吉祥寺
吉祥寺はコンパクトなエリアに都市機能と自然が密集しているため、住みたい街の上位に毎年ランクインしています。確かに吉祥寺に対して「コンパクト」という触れ込みがなされていますが、実際に本当でしょうか?
Google Mapの地図に円を描ける100%地図印刷というサービスが公開されていますので、吉祥寺駅を中心とした半径1.5kmの円を絵を描いてみましょう。
1.5km半径圏内だと、隣接する三鷹市や杉並区、練馬区まで含まれます。自転車で5km移動するのは大変ですが、1.5kmくらいであれば何とかいけそうな距離です。そのため、バスを利用するよりレンタサイクルで吉祥寺を移動するのはコスパの高い選択だといえるでしょう。
3時間でどこに行けそう?
スケジュール的に考えれば、休日など3時間の予定を空けるのは難しくないでしょう。映画館で上映中の映画を鑑賞するには、映画の長さに待ち時間、映画館までの移動時間を考慮して3時間は必要です。
レンタサイクルを3時間ほど利用するにしても、自転車をずっと漕ぐのではなく休憩も必要です。ぷらっと立ち寄りたい店があるかもしれません。そこで、
・井の頭恩賜公園、善福寺公園を巡回
・食事を行う
・各場所でゆっくり休憩する
というミッションを考案しました。井の頭恩賜(おんし)公園(以下、井の頭公園)も善福寺公園も吉祥寺駅から半径1.5km圏内に入りますが、食事をして休憩するとなると話は別。3時間で廻ることはできるでしょうか?
吉祥寺大通り東自転車駐車場で利用可能なレンタサイクル
武蔵野市のウェブサイトによると、吉祥寺駅周辺にある駐輪場だけで20!そのうち、レンタサイクルを利用できるのが「吉祥寺大通り東自転車駐車場」です。
吉祥寺駅アトレ東館口(東口)すぐの大通りを北上し、スターバックス吉祥寺駅前店が左手に見える交差点を右折。すぐの場所に吉祥寺大通り東自転車駐車場があります。といってもレンタサイクルが併設された観光案内所ではないので、係員の対応はいたって普通。自転車を駐輪する業務と同じような感じで、レンタサイクルを申し込みます。
レンタサイクルを利用するには、身分証明書を持参し登録が必要。登録は無料で行い、1日のレンタル料がたったの200円と格安。利用しないわけにはいきませんね。武蔵野市民でなくても登録は可能で、住所や電話番号、目的などを用紙に記入し5分で登録完了です。
レンタサイクルは当日の20時までに返却する必要があります。翌日返却する場合には、延長料金がかかります。
レンタサイクルの乗り方
レンタサイクルの登録が完了すると、早速利用可能。吉祥寺大通り東自転車駐車場に到着した平日の正午頃は、余裕で利用できる状態でした。
自転車置き場1階奥には40台分のレンタサイクルが用意されています。
入口でレンタサイクル利用登録証と交換で貰った自転車の鍵。38番の自転車を探し、車輪後部に備え付けられたロックを解除します。
レンタサイクルの利用で取り扱いがやや難しいのがギアチェンジ。自転車に乗りペダルを踏みながらギアチェンジする必要があります。止まった状態でギアチェンジすると、チェーンが外れるのだそうです。ギアは6段階まであり、一番スピードが出るのが「6」で、上り坂などでは「1」に変速させます。
まずは井の頭公園へGo!
最初の目的地は井の頭公園。100%地図印刷で井の頭公園の配置を確認してみましょう。
今度は、吉祥寺駅から半径1km圏内のエリアをチェック。三鷹の森ジブリ美術館や野球場は、この円からはみ出してしまいます。吉祥寺がコンパクトだとはいえ、やはり井の頭公園が大きいことが確認できますね。
井の頭公園の配置を確認し、早速移動します。
吉祥寺駅周辺は人通りが多い上に道幅も狭く、車の往来が激しい状態。自転車が通行できるスペースがほとんどないので、運転には注意が必要です。
曲がりくねった吉祥寺通り沿いには飲食店や低層階のビル、事務所など、やや古めの建物が多い印象です。
5分くらいで井の頭公園に到着。といっても、吉祥寺に一番近い入口です。野球場のある南西側まで行くにはまだまだ時間がかかります。
さらに5分ほど移動して見えてきたのが、三鷹の森ジブリ美術館。2021年1月15日頃まで長期のメンテナンス休館中のため、扉が閉ざされている状態でした。
三鷹の森ジブリ美術館は2001年に開園。スタジオジブリ関連の展示品が多数公開されている。完全予約制のため、入館するにはコンビニや電話で事前に予約が必要。
井の頭公園の南西端に到着するまで約15分。井の頭池のある北部と比べて遊べるスペースが多く、散歩やジョギング、ビニールシートを敷いて休息する方も多くいました。
井の頭公園内にあるカフェで食事
ミッションクリアのために気になり始めたのが、食事処の探索。井の頭公園までの道のりにはファストフード店があるものの、南部まで来るとなかなか見つかりません。再び井の頭池方面に戻ると、公園内におしゃれなカフェを発見!
「カフェ・ドゥ・リエーヴル うさぎ館」というそば粉で作ったガレットやクレープなどが召し上がれるカフェです。店内に入ると、、若い女性のグループから常連っぽい年配男性まで客層はさまざま。カレーなどランチメニューもあり、「うさぎ館カレープレート」を注文しました。
ドライカレー、スープカレー、日替わりカレーの3種類が添えられ、オリジナリティ溢れるカレーは絶品です。
オプションでハーブティーもつけられます。注文したルイボスオレンジはカフェインのないすっきり味です。
井の頭池周辺に多いカフェ
食事を終えて、井の頭池方面へと移動。駐輪場を出発してすでに1時間以上経過しています。
井の頭公園内は基本、自転車で移動可能。アップダウンあり、木でできた橋があるなど、自然が豊か。1時間くらい園内を散策できました。
公園北部のほうがカフェが多く、「ブルースカイコーヒー」入口にはクリスマスをイメージした装飾が置かれているなど、クリスマスの雰囲気たっぷりです。
閑静な住宅街の多い吉祥寺駅北東
続いて、善福寺公園のある北側へと移動。吉祥寺駅を通過した時点ですでに14時。残る時間は1時間ほどです。再度、100%地図印刷で善福寺公園の配置を確認。半径1.5kmの円のやや外側でした。
ただし真っ直ぐ続く道が多い上に、閑静な住宅街であるため、運転は非常に楽でした。
途中には昭和の雰囲気を残したおしゃれなアパートがあるなど、思わず写真に納めたくなるような建築物が点在。
そんな中、昔ながらのあんこ屋(平沢製餡所)があるなど、どこか落ち着いた雰囲気。
移動中は周囲の景観だけで楽しめました。
10分足らずで善福寺公園に到着。
井の頭公園と比べて善福寺公園は非常に静か。園内を自転車で走行できず、近隣住民が憩いの場として利用している印象です。リタイアしたご老人やお子さん連れのお母さんが多かったです。
井の頭公園に劣らず、広大な敷地面積。善福寺公園も自然を味わうには十分ですね。
時間があれば他のスポットにも移動可能か
吉祥寺大通り東自転車駐車場へは15時前に到着。
なんとか3時間でミッションクリアしました。
ゆっくり食事したり写真を撮りながら散策しても、2つの公園を巡回できる余裕がありました。吉祥寺駅の北側と南側とでは街並みが全然違うなど、新たな発見ができました。
今回はレンタサイクルを3時間利用して何ができるのか検証しましたが、足を伸ばそうと思えばもっといろんな場所に行ける気がします。ママチャリですがギアチェンジも可能ですので、土日にサイクリングするのにいろいろ使えそうですね。