「吉祥寺」のカルチャーの拠点「吉祥寺の映画館」の紹介に引き続いて、今度は「アート」にスポットを当てて「吉祥寺周辺の美術館」を調査しました。
アカデミックな市立美術館と、夢いっぱいのアニメワールドを形にした美術館という、好対照な2つの美術館をご紹介します。
武蔵野市立吉祥寺美術館
「武蔵野市立吉祥寺美術館」は、日常生活と文化・芸術を結び親しむ場として、 2002年2月に設立。
収蔵作品は、1972年(昭和47)年に武蔵野市へ遺品を寄贈した野田九浦の日本画をはじめ、油彩、版画、写真など約2,500点にのぼります。
館内は「企画展示室」「浜口陽三記念室」「萩原英雄記念室」という3つの展示室で美術作品を順次紹介。
「企画展示室」では、これら収蔵品の紹介のほか多様なジャンルの表現を紹介する各種企画展を開催、 また市民の創作発表の場「市民ギャラリー」として、武蔵野市民の芸術活動をバックアップしています。
「浜口陽三記念室」「萩原英雄記念室」では、両作家の版画作品や関連資料を常時展示・紹介。
また、講演会やワークショップなどの教育普及活動にも力を注ぎ、施設規模は小さくても、『観る・創る・育てる』をモットーとした美術館活動をめざしています。
また、展覧会図録、絵ハガキ、美術館オリジナルグッズを集めたミュージアムショップもあります。
企画展示室
引用:武蔵野市立吉祥寺美術館
日本画・油彩・書・写真など様々なジャンルの収蔵品の紹介をはじめ、各種企画展を開催します。
また、市民の創作発表の場として、3月・7月・11月は市民ギャラリーとして企画展示室をお貸出いたします。
浜口陽三記念室
引用:武蔵野市立吉祥寺美術館
カラーメゾチントという独特な銅版画の技法を開拓し、 多くの作品を創作した浜口陽三(1909~2000年)より寄贈を受けた主要作品の数々を広く公開するとともに、氏の業績を末永く顕彰します。
初期のモノクロームからカラーメゾチントに至る銅版画作品やその原版、道具類もあわせて展示します。
萩原英雄記念室
引用:武蔵野市立吉祥寺美術館
従来の木版画の域を超えた複雑な表現 を極め、 世界的な木版画家として確固たる地位を築いた萩原英雄(1913-2007)より、 代表的な木版画の数々が寄贈されたことを記念して設けられました。
「ギリシャ神話」「三十六富士」などのシリーズ作品をはじめ、 抽象作品など多種多様な作品の数々を展示紹介します。
ミュージアムショップ
引用:武蔵野市立吉祥寺美術館
ミュージアムショップでは展覧会図録・ポストカード・オリジナルグッズのほかあづみ野ガラス北工房、月光荘画材店、和紙舗「榛原」の商品などを取り扱っています。
入館料
・常設展:100円
・企画展(一般):300円
・企画展(中高生):100円
※企画展の料金には常設展の料金を含みます
※小学生以下・65歳以上・障がい者は無料
施設名 | 武蔵野市立吉祥寺美術館 |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目8番16号 FFビル7階(コピス吉祥寺A館7階) |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅から徒歩約3分 |
電話番号 | 0422-22-0385 |
開館時間 | 10:00~19:30 |
休館日 | 毎月最終水曜日 年末年始(12月29日~1月3日) ※展示替および施設の保守点検等のため、臨時に休館することがあります。 |
HP | http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/ |
三鷹の森ジブリ美術館(三鷹市立アニメーション美術館)
「三鷹の森ジブリ美術館」は、2001年に「井の頭恩賜公園西園」内に開館した、三鷹市立のアニメーション美術館で、正式名称は「三鷹市立アニメーション美術館」です。
「スタジオジブリ」に深く関わる宮崎駿が発案し、ジブリ関連の展示品を多数収蔵・公開しています。
2007年からは、「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」として、世界のアニメーション映画の配給やテレビ放送も行っています。
館内のご案内
■受付
吉祥寺通り沿いに三鷹の森を歩いていると「三鷹の森ジブリ美術館」の看板が立っています。
受付では大きなトトロがお出迎えしますが、ここはニセの受付なので、トトロが本当の受付の場所を教えてくれます。
トトロのニセの受付を通り過ぎれば、井の頭公園の森の木々に埋もれた地上2階、地下1階建ての建物三鷹の森ジブリ美術館」が見えてきます(正面の白い建物が本当の入口)。
■不思議空間
引用:三鷹の森ジブリ美術館
扉をあければ、窓やランプにはジブリのキャラクターや花、動物の絵が描かれたステンドグラス。
天井を見上げれば、一面にフレスコ画。
青空に向かって伸びる木には、果実や花がついています。
ほうきに乗ったキキとジジやメーヴェに乗ったナウシカの姿もあります。
他にも、たくさんのキャラクター達が天井を舞っています。
ここで渡すきっぷは、映画の上映に本当に使える35mmフィルムです。
どんなシーンがあたるかは、もらってみないと分からないので、受け取ったら光に透かして確かめてみてください。
■中央ホール
引用:三鷹の森ジブリ美術館
地下1階から地上2階までの吹き抜けとなった大空間。
天井のガラスのドームには、海を泳ぐ黄色いクジラや、妹たちと泳ぐポニョが描かれ、大きな天井扇が回っています。
階段や廊下の手すりには、取れそうで取れないガラス玉が陽の光を浴びて輝いています。
宮崎駿監督の映画に出てくる建物のような不思議な構造。映画の雰囲気を、あちこちで感じることができます。
■常設展示室
引用:三鷹の森ジブリ美術館
常設展示室「映画の生まれる場所」は、5つの小部屋で構成されています。
部屋の中には、本やガラス玉やたくさんのがらくたたちが転がり、壁には、イラストやスケッチが、隙間もないほどたくさん貼られています。
部屋の天井からは、飛行機の模型やプテラノドンが吊り下げられています。
小部屋を通り抜けると、ちょっとしたアイデアやひらめきから、悪戦苦闘しながらも一本の映画が完成するまでを、理解してもらえるように構成されています。
■映像展示室
引用:三鷹の森ジブリ美術館
地下1階にある映像展示室「土星座」は、80人ほどが入れる小さな映画館です。
ここでしか見ることのできないジブリのオリジナル短編アニメーションや、おすすめする良質なアニメーション作品が公開されます。
天井には青空が、壁には色とりどりの草花が描かれ、映画が終わると窓が開いて日の光が射し込みます。
■図書閲覧室
引用:三鷹の森ジブリ美術館
三鷹の森ジブリ美術館の図書閲覧室「トライホークス(三羽の鷹)」。
宮崎駿館主とジブリ美術館おすすめの絵本・児童書が置いてあります。
「子ども達にふしぎなものを見て、触れて、感じて欲しい」という美術館のこの思いを「本」という形で伝えていく場所として作られました。
■ネコバス
引用:三鷹の森ジブリ美術館
2階の部屋では、ネコバスが子どもたちを待っています。
映画に出てくるネコバスのふわふわ感。
あの思わず触ってみたくなるような柔らかい「ボヨーン」とした感触を、自由自在、思う存分に楽しんでください。
■ロボット兵
引用:三鷹の森ジブリ美術館
ネコバスルームの脇から螺旋階段を上っていくと緑鮮やかな屋上庭園が現れます。
最初に目に入るのは、優しい顔で佇む「ロボット兵」。
約5メートルの立ち姿には迫力があります。
このロボット兵は、ジブリ美術館の守り神です。
チケット購入方法
日本の美術館では珍しい完全予約制・定員制の入館方法を採用しているので、ローソンのLoppiにて予め日時指定のチケット(入場引換券)を購入する必要があります。
定員に達するか入場時間になった時点で、当日分の販売は打ち切られます。
転売防止のため、購入者の名前が券面に印字される記名式のチケットとなっています。
入場料
大人・大学生: 1,000円
高校・中学生: 700円
小学生: 400円
幼児(4歳以上):100円
4歳未満:無料
入場時間
入場時間は1日4回で、10・12・14・16時。
入れ替え制ではありません。
入場は指定時間から30分後まで。
住所 | 東京都三鷹市下連雀1丁目1-83(都立井の頭恩賜公園西園内) |
交通アクセス | 「三鷹」駅から徒歩約15分 「吉祥寺」駅から徒歩17分 「三鷹」駅から「コミュニティバス」利用で約5分 |
電話番号 | 0570-055777(10:00~16:00 平日のみ) |
開館時間 | 10:00~18:00 入場指定時間/1回目10:00、2回目12:00、3回目14:00、4回目16:00 |
休館日 | 火曜日(展示替え休館、メンテナンス休館、冬季休館あり) |
まとめ
2千点作品以上の日本画、油彩、版画、写真を収蔵した「蔵野市立吉祥寺美術館」と、夢にあふれるジブリの世界を形にした「三鷹の森ジブリ美術館」。
本当に対照的な2つの美術館をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
どちらも「市立」の施設ということで、武蔵野市も三鷹市も「アート」に敬意を払っていることが再確認できました。