虫の声や感じる風がすっかりと秋らしくなり、暑かった夏も終わり、過ごしやすい秋に季節は移り変わりました。
芸術、読書、食欲の秋と言われるほど、秋は色々なことをするのに最適な季節です。
今回は、吉祥寺でゆっくりと読書ができる喫茶店を紹介します。
美味しいカレーライスと本格的ブレンドコーヒーがおすすめの「茶房武蔵野文庫」です。
1人でゆっくり過ごしたいとき、落ち着いた空間で語り合いたいときにおすすめの喫茶店です。
茶房武蔵野文庫とは
レトロで老舗の喫茶店のルーツ
茶房武蔵野文庫のルーツは、かつて早稲田キャンパス南門近くにあった「茶房早稲田文庫」という喫茶店です。
日本家屋を改装した一風変わったお店で、早大生や井伏鱒二(いぶせますじ)、五木寛之(いつきひろゆき)ら稲門文士(とうもんぶんし)のたまり場として愛されていました。
しかし、昭和59年に惜しまれつつ閉店してしまいました。
当時のスタッフであった現マスターの日下茂さんが「茶房早稲田文庫」の雰囲気、味、看板を継承し、「茶房武蔵野文庫」として、ここ吉祥寺に開業しました。
茶房武蔵野文庫には、早稲田文庫から引き継いだ蔵書や工芸品が置かれ、壁には井伏鱒二直筆の書も飾ってあります。
また、特製カレー、手作りレモンケーキなどのレシピも、当時から変わらないまま継承されています。
こだわりの飲み物が多彩
茶房武蔵野文庫では、挽きたての本格的のコーヒーやレモン風味のクリームソーダなどこだわったドリンクメニューがたくさんあります。
クリームソーダは、1984年の開店当初からの定番メニューです。
クリームソーダと言えばグリーンの色が一般的に親しまれていますが、武蔵野文庫のクリームソーダはレモン風味の黄色が特徴になります。
他にも、季節ごとに変わる期間限定の自家製ジュースやラムネ(せんべい付き)など武蔵野文庫でしか味わうことのできない飲み物が揃っています。
秘伝のレシピを受け継ぐカレーライス
武蔵野文庫の1番のおすすめのフードメニューは、カレーライスです。
早稲田文庫の時代から引き継ぐ秘伝のレシピのカレーライスは、具材が長時間煮込まれた絶品のカレーライスです。
実際にカレーライスをいただいたので、その美味しさは次で紹介します。
茶房武蔵野文庫に行ってみた
アクセス
吉祥寺駅北口から徒歩5分、レトロな外観が特徴の「茶房武蔵野文庫」があります。
駅前よりも少し落ち着いた西三条通り沿いにあり、休日のランチ時間にはお店の前で待つ人を見かけることもあります。
その時代を知らなくても、どこか懐かしい、帰ってきたと感じさせるお店の外観です。
現在は、新型コロナウイルス感染対策もされてあり、アルコール消毒、空気清浄機、テーブル席やレジにはアクリル板や透明のシートが設置されてあり、安心して利用することができます。
文学色のあるレトロな雰囲気
早稲田文庫時代は、多くの早稲田大学生、文豪らが訪れてたという歴史をそのまま残している茶房武蔵野文庫の店内は文学のかおりがするレトロな雰囲気が残っています。
壁面の棚には、早稲田文庫時代の本や額が飾ってあり、時代を感じることができます。
昔ながらの土壁にダークトーンの重みを感じる木のテーブルなどがより当時の雰囲気を醸し出しています。
武蔵野文庫のカレーライス
吉祥寺にはたくさんのカレー屋さんやカフェ、喫茶店があります。
そんな中でも、茶房武蔵野文庫のカレーライスはいつ食べても、何度も食べたくなる特別なカレーライスの1つです。
カレーライスセットは1,300円(大盛+100円、チビ-100円)で、サラダがセットになります。
ドリンクは、コーヒー、紅茶、ヨーグルトのいずれかを選ぶことができます。
店内が空いている場合は、好きな席を選んで座ることができます。
カウンター席は6席、4人掛けのテーブル席が4テーブルあります。
注文をしてから先に、サラダやらっきょうなどの薬味が出てきて、その後5分くらいで、カレーライスが運ばれてきました。
小麦粉、玉ねぎをじっくり煮込んで作られたルーにごろっと大きなジャガイモや鶏肉が入っていて、とても存在感のある具材が特徴的なカレーライスです。
ルーの辛さは、家庭で食べる中辛くらいの辛さで、スパイスを感じつつも家庭的な温かさのあるカレーライスです。
ジャガイモや鶏肉もスプーンを入れるとほろっと崩れるくらい柔らかくなるまで煮込まれています。
辛すぎないけれど、辛さの中に玉ねぎの甘みや煮込まれた具材の旨みをしっかりと感じられます。
早稲田文庫時代からの秘伝の味を受け継ぐカレーライスをぜひ味わってほしいと思います。
現在は、カレーライスのテイクアアウトも行っているので、おうちでこの絶品カレーライスをいただけるには嬉しいですね。
食後のブレンドコーヒーと読書
カレーライスを食べ終わる頃にセットの淹れたてのブレンドコーヒーがでてきます。
九州福岡の小石原焼のカップに淹れられたブレンドコーヒーは、ほんのり甘みを感じるカレーライスの後にぴったりのコーヒーです。
淹れたてのブレンドコーヒーは、甘みの中に苦味があり、後から酸味を感じます。
深みのあるブレンドコーヒーですが、ほんのりと酸味もあるのですっきりと飲むことができます。
カレーライスとコーヒーの組み合わせは、定番ですがお店によって全く異なるので、コーヒーが好きな方はぜひ茶房武蔵野文庫の本格ブレンドコーヒーを味わってほしいと思います。
お腹も満たされ、おいしいコーヒーをいただきながら、お気に入りの本を開くとき、至福の時間が訪れます。
ここ武蔵野文庫にいると、時間の流れがゆっくりと感じられます。
文豪たちが通ったというルーツを持つ茶房武蔵野文庫だからこそ叶うのかもしれない特別な時間を過ごすことができます。
小石原焼の器
茶房武蔵野文庫では福岡県の伝統工芸品「小石原焼(こいしわらやき)」の食器を使用しています。
小石原焼とは、福岡県朝倉郡東峰村にて焼かれる陶器で、主に生活雑器が焼かれている焼き物です。
独特の幾何学的な文様が特徴的な焼き物で、素焼きを行わず、釉薬を流し掛ける製法が特徴となっています。
美しい紋様や温かみのある風合いが特徴の食器です。
店内で食事をいただく際には、その特徴的な文様や手触りなどを感じながら器も楽しめます。
また小石原焼の器は、店頭で販売もされています。
決済方法とテイクアウト
茶房武蔵野文庫では、現金の他クレジットカード決済、交通系電子マネーの利用が可能です。
また、昨今の状況から茶房武蔵野文庫でもテイクアウトの販売が始まっています。
カレーライスやサンドウィッチ、デザートなどのテイクアウトメニューがあります。
HPのテイクアウトチラシを掲示すると100円引きになるサービスも行っているので、気になる方、おうちでも武蔵野文庫の味を楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
吉祥寺でゆっくりと過ごせるレトロな喫茶店「茶房武蔵野文庫」を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
早稲田文庫時代からの歴史を考えると70年程の歴史を持ち、当時の味やお店の雰囲気をそのまま受け継ぐので、懐かしさや何度も訪れたくなる喫茶店です。
おいしいカレーライスや淹れたてのコーヒーとともに過ごす至福の時間を愉しんでほしいと思います。
吉祥寺でゆっくりと過ごしたいときには、ぜひ茶房武蔵野文庫を訪ねてみてください。
住所 | 武蔵野市吉祥寺本町2-13-4 |
TEL | 0422-22-9107 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
定休日 | 月曜日、火曜日 |
HP | https://sabo-musashinobunko.jimdofree.com/ |