【ルート解説】吉祥寺のコミュニティバス「ムーバス」の乗り方

ムーバス

吉祥寺は老若男女問わずいろんな世代の人が歩いています。

どんな人でも気軽に利用できるように、吉祥寺には武蔵野市営の「ムーバス」というコミュニティバスがあります。

吉祥寺の街は若者であれば徒歩で中心街を余裕で制覇できてしまうくらい小さな街ではありますが、ご高齢の方も多く生活しており、ご年配の方が歩き回るには少し大変な街でもあります。

今回は、武蔵野市営コミュニティバス「ムーバス」の乗り方や、便利なルートをご紹介します。

目次

吉祥寺の「ムーバス」のルートは高齢者向け

吉祥寺では「高山プラン」と呼ばれる街づくりによって、4つの商業施設(北にコピス・東にヨドバシカメラ・西に東急百貨店・南にマルイ)で街を囲うようにして吉祥寺の中心を確保しました。

4つの商業施設で囲われた内側は、碁盤目状に整備され、非常に街歩きがしやすい都市設計になっていますが、ここである問題が残りました。

それは、歩行に支障のない若者層の回遊性が高まり歩きやすくなった一方で、「交通弱者」たる高齢の方々が中心街にアクセスしづらくなってしまったということです。

そこで武蔵野市は、高齢者等の中心エリアへのアクセスを改善するために、市営コミュニティバス「ムーバス」の運営を全国に先駆けて開始しました。

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「ムーバス」は、武蔵野市内に7路線、吉祥寺周辺に限れば3つの路線を設けている循環バスで、住宅街と中心街をぐるりと回るようにルートが設計されています。

吉祥寺は、多くの都市が同様にそうであるように、中心エリアには人はあまり住まず、周辺エリアに分散されるように住宅街が広がっており、周辺エリアには古くから吉祥寺に暮らす高齢者が多く住んでいます。

ムーバスは、複数路線を東西南北に展開し、全て循環ルートとすることで、こうした周辺エリアから中心エリアへの、特に高齢者等歩行に支障のある層のアクセスを楽にしました。

吉祥寺の「ムーバス」の便利な点

ムーバスは、運営方法にも色々と細やかな工夫がされています。

たとえば、「時間を15分間隔とすること」でバスが来る時刻を分かりやすく統一し、「運賃を先払いの100円均一にすること」・「回数券や交通系ICカードの採用」で乗り降りの際もたつきがちな料金支払いを簡単にしました。

そして「前後のドアを使った乗り降りを可能とした」ことや「電動式補助ステップや手すりの設置」で、高齢者でも安心して乗り降りができるようになっています。

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※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2021年2月より当面の間「特別ダイヤ」が適用されており、どの路線も8時~9時台の朝早い時間と、18時以降の夜遅い時間は1時間に3便程度と大幅に本数を減らしています。

ほぼ15分間隔となっているのは日中の北西循環のみ(10時台~17時台)で、東循環は日中も1時間に4本程度、三鷹・吉祥寺循環は日中も1時間に3本程度となっています。

 

また、吉祥寺駅北口バスロータリーにはムーバス発着のバス乗り場がありますが、「並ぶ列が循環ルートの違いによって明確に色分けされている」点も、老若男女問わず分かりやすい親切な設計ですよね。

ムーバスの停留所間の距離はお年寄りの歩行距離を考慮し200メートル間隔に統一されている点も便利で親切です。

近年はますます便利になり、スマホ等から「バス接近情報」をリアルタイムで見ることができたり、乗車予定の任意の停留所から降車停留所までの到着予測時間等を細かく検索できたりします。

【吉祥寺東循環ルート】の現状と便利な使い方

吉祥寺駅を中心とし、吉祥寺の北東~南東エリアを時計回りに循環する「吉祥寺東循環ルート」は、文字通り吉祥寺の東側をぐるりと回るルートです。

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※吉祥寺東循環ルートは現在、日中でも1時間に4本程度と減便されていますが、それほど大きな混雑は見られませんでした。

 

ルートとしては、吉祥寺駅前から中央線に沿って東に走り、「あさひ病院」を経て五日市街道に出て「松井健診クリニック」から美大通りに入ります。

そこから東町をまっすぐに抜けて、西荻窪駅に比較的近い「吉祥女子中・高校」まで行って、そこから右折し南方面へ。

五日市街道を横切り「松庵小学校」を抜け井の頭通りを横切って松庵一丁目西から左折し南町を抜けていきます。

再び井の頭通り沿いに戻り「吉祥寺南病院」を経由、水門通りを横切って吉祥寺大通りへ右折し「吉祥寺大通り前」バス停が最終停留所です。

「あさひ病院」「松井健診クリニック」「吉祥寺南病院」といった病院・クリニックを多く通ることもあって、地元で病院にかかる必要のある高齢者に重宝されている路線です。

 

吉祥寺東循環ルートの特徴は、吉祥寺駅付近のバス停に「吉祥寺大通り前」と「吉祥寺駅北口」の2つがあること。

しかし、「吉祥寺大通り前」は終着ということもあって待ち時間が長く設定されていますので、「吉祥寺駅北口」から乗ったほうが効率的です。

また、東端の停留所「吉祥女子中・高校前」は西荻窪駅から徒歩11分ほどの距離にあるので、多少歩ける若年層にとっては、吉祥寺から西荻窪へのアクセスにも便利ですし、「東町三丁目」で降りれば、駅からは少々遠い人気スポット「サジロカフェ」も歩いてすぐです。

 

【吉祥寺北西循環ルート】の現状と便利な使い方

ムーバスでも最も地元民が重宝するのは「北西循環ルート」ではないでしょうか。

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※吉祥寺北西循環は現在、緊急事態宣言下による特別ダイヤで運行しており、15分間隔の1時間5本運行は10時~17時に限定されています。
18時以降は大幅に減便されていることから10人以上の行列が出来る時間帯が多く、席の少ないムーバスでは並ばないと座れない程度には混雑していました。

吉祥寺本町の中心エリアを通るだけでなく、五日市街道以北の吉祥寺北町を広くカバーしつつ本町4丁目を経て再び中心エリアから駅前に戻ってくるというルート設計は、観光にも生活にも便利です。

乗降者数が多いのも納得といえるでしょう。

詳しいルートとしては、吉祥寺駅北口から「コピス吉祥寺」を経て(正確にはバス停はロフト吉祥寺店の中町新道側にあるので注意)五日市街道に出て「武蔵野八幡宮」を通ります。

旧五日市街道を「吉祥寺本町郵便局」で右折して「北町保育園」や多目的公共施設「吉祥寺北コミュニティセンター」を通過し「ねむの木通り」へ。

扶桑通りに折れて「けやきコミュニティセンター」を経由し「かくれみの公園」から成蹊方面に折れて成蹊学園を象徴する「ケヤキ並木」を通り(この時点で殆どの人が降りていました)本町4丁目から「大正通り」に折れます。

そのまま大正通りを直進し「東急百貨店」の前を通り過ぎ、再び「コピス吉祥寺前」(名前に似合わずバス停は月窓寺付近にありますので注意)~「吉祥寺駅北口」に戻っていきます。

北西循環も吉祥寺駅前から乗る場合は、起点の「吉祥寺駅北口」から乗るほうがいいでしょう。

ただ、コピス吉祥寺への買い物帰りに乗る場合や、多少歩ける若年層の場合では、コピス吉祥寺前から乗るというのも1つの選択肢ですし、もし北町方面から吉祥寺駅に行く場合で多少歩ける人ならば、終着1つ手前の「コピス吉祥寺前」で降りてサンロード商店街をまっすぐ歩いたほうが早く駅に到着するでしょう。

北西循環の特徴は、旧五日市街道など歩道が狭いエリアを中心に通っていること。

吉祥寺北西エリアは自転車や徒歩での移動がしづらいエリアとしても知られていて、旧五日市街道沿いをはじめ歩道が狭い道路が多いので、特に高齢者の場合はムーバスに乗る方が便利ですし、安全です。

若年層でも徒歩で行くのは躊躇われるギリギリの距離にある成蹊大学よりも更に北の住宅街エリアを網羅していることもあり、北町住民にとっては老若男女問わずムーバスが生活の足としても欠かせないのではないでしょうか。

ショッピングや観光の重要スポットを通るルートなので観光客からも需要がありそうです。

 

【三鷹・吉祥寺循環ルート】の現状と便利な使い方

さて、最後に「三鷹・吉祥寺循環」ルートについて説明しましょう。

武蔵野市に属する三鷹駅~吉祥寺駅間を結び、井の頭通り沿いと御殿山通りの間を循環するこのルートは、特に吉祥寺の南や西に住む人たちにとって重宝します。

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※三鷹・吉祥寺循環ルートは現在、日中でも1時間に3本程度と減便されていますが、それほど大きな混雑は見られませんでした。

御殿山地区は緑の多い場所で、玉川上水や井の頭恩賜公園沿いを走る道路は歩道も車道も狭く、普通のバスで走るのはなかなか大変な場所です。

そうした時に片道循環ルートを辿る小さなコミュニティバス「ムーバス」が活躍するのです。

ルートとしては、始点は吉祥寺ではなく三鷹駅で、中町新道の「武蔵野中町郵便局」を通り、「武蔵野税務署」手前の平沼園交差点を右に折れて玉川上水沿いを通る御殿山通りに合流。

その後、文豪・太宰治の入水地点に程近い「むらさき橋」を通り過ぎてすぐに左折、八丁通りを右折して井の頭自然文化園沿いの狭い道路を走り抜け公園通り~井の頭通りと通り過ぎて吉祥寺大通りへ。

北口バスロータリーの「吉祥寺駅北口」、南口井の頭通り沿いの「吉祥寺駅南口」を経由したのち、今度は井の頭通りを西に三鷹方面へ進んでいきます。

「吉祥寺西コミュニティセンター」を通り過ぎ、「横河電機前」で左折、武蔵野区検察庁や簡易裁判所付近から武蔵野警察署前を再び左折しまっすぐ、再び三鷹駅前に戻っていくといった感じです。

この三鷹・吉祥寺循環ルートの大きな特徴は、武蔵野市御殿山2-1、位置としては三鷹駅~吉祥寺駅間の高架下にある24時間入出庫可能な駐車場「ムーパークタイムズアトレ文化園」があることです。

近隣あるいは遠方から吉祥寺へ車で向かう際、駐車場が圧倒的に少ないことが問題視されており、今でも吉祥寺中心エリアは路駐が多くなってしまっています。

そこで、この駐車場に車を入れてから、ムーバスで車の進入や駐車がしづらい吉祥寺中心街エリアに向かうことのできるルートを市が整備したのです。

これが「パークアンドバスライド」という、吉祥寺中心街の駐車問題を少しでも解消し、車でのアクセスを容易にしようという取り組みです。

三鷹・吉祥寺循環ルートは三鷹近隣から吉祥寺へ行くのにも便利なルートであるだけでなく、車で吉祥寺へ行こうとする人にも便利なルートとして設けられているのです。

ちなみに、文豪・太宰治の旧下宿跡や墓、入水地点(玉鹿石)、遺体が引き上げられた場所(明星学園高等学校前)などの聖地は三鷹駅南口~吉祥寺の南に集中しています。

もし太宰治関連の聖地巡礼をする場合には、ムーバスの三鷹・吉祥寺循環ルートを使うと(すべてが近いとは言わないものの)比較的便利かもしれません。

便利な使い方・乗り方を覚えて吉祥寺のムーバスを活用しよう!

以上、吉祥寺周辺のルートに絞って、ムーバスのルート解説や便利な乗り方、混雑具合などを解説しました。

注意しなければならないのは、現在、2021年2月より当面の間は、常に「特別ダイヤ」で運行されているということです。

特に比較的混雑の少ない東循環、三鷹・吉祥寺循環ルートについては日中でも1時間に2~3本と、吉祥寺とは思えない少ない本数での運行となってしまっています。

時間が合わなければ、若年層は歩いたり別の路線バスを使ったりしたほうが効率がいいことも多いかもしれません。

しかしムーバスは、北町在住の吉祥寺近隣住民、特に高齢者にとっては大切な存在です。

実際に乗ってみた感じでも高齢者が多い印象でしたし、これからもムーバスは周辺地域に住むお年寄りの便利な生活の足として機能し続けることでしょう。
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