吉祥寺はテレビや映画のロケ地としてとても多く利用されていることをご存じでしょうか。
「なんか見たことある景色だな」と思ったら吉祥寺駅周辺だったこともあります。
テレビや映画に映ったロケ地に実際に行ってみるという吉祥寺の新しい楽しみ方をご提案します。
残念ながらほんの一部になりますが、吉祥寺のロケ地巡りをしてみましょう。
吉祥寺・井の頭公園はロケ地の宝庫
吉祥寺のロケ地率が高いということは、それだけ吉祥寺が魅力的な風景の多い街であるからです。
特に、吉祥寺駅周辺の豊かな自然には魅力があります。
多くの人たちが訪れる街と、豊かな自然があり、そんな風景の起伏がドラマや映画にマッチングしているのではないでしょうか。
それでは実際に吉祥寺で撮影した映画やドラマをご紹介していきます。
『俺たちの旅』|吉祥寺サンロード商店街
少しご年輩の方々は、吉祥寺を舞台としたドラマとしては、口を揃えて『俺たちの旅』というのではないでしょうか。
『俺たちの旅』は1970年代半ばに日本テレビで日曜夜8時から1時間番組として放映されていた連続ドラマです。1年間で全46話を放送しました。
三流大学の学生であるカースケ(中村雅俊)、同級生で親友のオメダ(田中健)、同郷の先輩であるグズ六(秋野太作)を中心とした青春群像劇です。
中村雅俊が歌う「俺たちの旅」は作詞・作曲が小椋佳です。東大法学部を出て、日本勧業銀行(現・みずほ銀行)に入ったエリートがつくったことで、当時大きな話題となりました。
『俺たちの旅』が終了したあとも、特別編が定期的に放映されるなど、人気を博していました。
「仕事と向きあうこととは何か」ーー生だっだカースケ、オメダは真剣に悩んでいましたが、特別編では実際に中高年になって、そこに起こる現実問題をシビアにとらえています。
中村雅俊氏、田中健氏、秋野太作氏はともどもご健在なので、さらなる次を期待したいと思います。
名脇役の森川正太氏はつい最近亡くなりました。オメダの母親役の八千草薫さんも既にいません。
『俺たちの旅』は、思いきりどこもかしこも吉祥寺。
オープニングでいきなり3人で肩車をしているシーンがありますが、それは駅北口から延びるサンロード商店街です。
『愛していると言ってくれ』|井の頭公園
ドラマの時代をもう少し新しくしましょう。
1990年代半ばにTBS系の金曜ドラマ(夜10時からの1時間番組)で放映された『愛していると言ってくれ』。
平均視聴率は21.3%で、最終話は最高視聴率28.1%を記録しました。多くの方々が熱中した人気番組で、聴覚障害者の青年画家(豊川悦司)と女優の卵(常盤貴子)の恋愛ドラマでした。主題歌は、DREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」です。
常盤貴子が一生懸命、お芝居の練習を頑張っているシーンがありますが、あれが撮影されたのは今も、JR吉祥寺駅南口から井の頭公園に入ってすぐの場所にある、屋外ステージです。
ここでいつも私は、何かイベントをしてくれるものかと期待をしていますが、コロナ禍なのか、なかなか開催してくれません。
トヨエツが、絵を描いていたりするシーンも井の頭公園が使われています。
また、トヨエツが走っている神田川沿いの遊歩道は、東京都三鷹市井の頭2丁目あたりで撮影されています。
常盤貴子がケガをした道路は、東京都武蔵野市御殿山1丁目の吉祥寺通りです。
井の頭池を渡った右側にある井の頭自然文化園の動物園は、トヨエツと常盤貴子さんがデートした記念すべき場所です。
『火花』|井の頭公園
『火花』は、芥川賞を受賞した又吉直樹の小説をドラマ化したものです。
2016年6月からNHKで10回にわたって放映されました。売れない芸人の卵と、天才肌の先輩芸人たちが交流するドラマで、人生の葛藤や生き様などが描かれています。
このドラマでは林遣都、波岡一喜、門脇麦という面々が出演しています。Netflixと吉本興業が共同制作したドラマなので、今からでもNetflixで十分後追いすることができます。
ドラマをすでに観たたという方々も、今度は吉祥寺のロケ地視点で見るというのもいいでしょう。
林遣都と波岡一喜が飲みに行ったりするシーンは多く、吉祥寺がロケ地として使用されています。井の頭公園を一緒に歩く姿が印象的でした。
井の頭公園は、「太鼓の太鼓のお兄さん!真っ赤な帽子のお兄さん!」が登場するシーンで使用されています。
井の頭公園には似たような風景があるので、ロケ地のポイントを限定する難しさはありますが、最近私は見つけたポイントは、二股に分かれた木と、奥の白いコンクリートの台のようなものです。ぜひ探してみてください。
波岡一喜が林遣都と待ち合わせをして立っていたのは、JR吉祥寺駅南口から行く井の頭公園へ入る階段です。
林遣都と波岡一喜が、シュウマイを購入してベンチで食べているシーンがありますが、それは人気の焼き鳥店、「いせや総本店」公園口店でお持ち帰りしたものです。
いせやに行けば、多くの方々が焼き鳥やら、焼きとうもろこしを食べていたりします。
なかなかシュウマイに手が届かないのかもしれませんが、『火花』のドラマを機会にシュウマイを食べようという方々も増えています。
私も店内で食べてびっくり!とにかく、いせやのシュウマイは大きくてコストパフォーマンスが相当高いのです。
ただし、シュウマイは基本、ドラマのようにテイクアウトは出来ないことになっているはずなのですが、私が直接、いせやのスタッフに聞いたところ、「お持ち帰りメニューにはないけど、お願いされれば断っていない」ということです。だから、ついつい私もお持ち帰りをしました。
店内で食べないで、敢えてシュウマイをお持ち帰りしようとするお客様がいれば、間違いなく『火花』かぶれをしている方々でしょう。
いせやのスタッフも、それを知り、あたたかくシュウマイお持ち帰りを許可するようになったのでしょう。感謝!
そして、二人がよく飲んでいた場所は、ハーモニカ横町にあります。居酒屋の「美舟」もハモニカ横町の中にあります。
おすすめはもちろん豚肉&ニンニクの芽の炒め物「肉芽」です。
ハモニカ横町には「美舟」以外にもおいしいお店がいっぱいあります。ロケ地巡りで再び訪れれば、また新しい発見をすることでしょう。
いろいろロケ地巡りをしている人たちが多いが、ひとつのロケ地から次のロケ地まで離れていて大変ということは多々あります。ドラマでは、そのような距離がなかなかわからない難しさがあるのです。
しかし、吉祥寺は狭いエリアにロケ地が密集しているので、それ程労力を使わないくていいのではないでしょうか。
吉祥寺でロケ地巡りすることは決して愚かなことではない。それは、吉祥寺の魅力を再発見する方法なのです。
ロケ地巡りをしていて、ロケ地以外の新しいお店を見つけたりすることもあるでしょう。
ロケ地巡りをぜひ吉祥寺でしてみてはいかがでしょうか?