ショップやカフェが立ち並ぶおしゃれなイメージで、「住みたい街」でも人気の吉祥寺に、かつては世界でも有数の飛行機工場があったことは、当サイトの[【吉祥寺の歴史】武蔵野中央公園は戦闘機工場だった!]でご紹介しました。
しかし現在の吉祥寺やその周辺にも、世界有数の電気機器メーカーや誰もが知っている大手飲食チェーンの本社があることをご存知の方は、それほどはいらっしゃらないと思います。
今回の調査で「こんなに有名な企業の本社が」と驚くような会社の存在が分かったので、業界別に分けてご紹介していこうと思います。
初回の今回は、「飲食業界」についての調査報告です。
株式会社すかいらーくホールディングス|吉祥寺周辺に本社がある企業(飲食業界編)
かつてファミレスブームを巻き起こした「すかいらーく」、現在では洋食ファミリーレストラン「ガスト」「ジョナサン」や和食チェーン「藍屋」「夢庵」を経営している「株式会社すかいらーくホールディングス」の本社は、「三鷹」駅にほど近い「東京都武蔵野市西久保 1-25-8」にあります。
1,000店舗以上を数える「ガスト」、300店舗以上の「バーミヤン」、200店舗以上の「ジョナサン」「しゃぶ葉」、100店舗以上の「夢庵」「ステーキガスト」などの3千店舗を超える飲食店を、すかいらーくグループが運営しています。
すかいらーくホールディングスの歴史
1962年(昭和37年)、東京都北多摩郡保谷町の「ひばりが丘団地」に食料品店スーパー「ことぶき食品」有限会社を創業した横川4兄弟が、1970年(昭和45年)に東京都府中市に「スカイラーク」国立店を1号店として開業し、日本におけるファミリーレストランチェーンの先駆けとなりました。
その後も、コーヒーショップ「ジョナサン」、アーリーアメリカン調のカジュアルレストラン「イエスタディ」、和食レストラン「藍屋」など新業態を開発し、レストラン業界のリーディングカンパニーとして成長を続け、1993年(平成5年)、すかいらーくグループは外食産業のうちテーブルサービスレストランとして初の「1,000店舗出店」を達成しました。
バブル崩壊後1992年(平成4年)には、当初は高級路線の実験店舗ブランドだった「ガスト」を、「低価格の新業態」として東京都小平市に1号店を開店し、翌1993年(平成5年)には、当時720店あった「すかいらーく」のうち420店舗を約1年でガストに転換させ、客単価を大幅に下げた「ガスト化」「ガスト現象」など呼ばれるブームを業界に巻き起こしました。
その後、旧「すかいらーく」は全て「ガスト」へ転換されて、全国で1,300店舗を超える「ガスト」が運営されています。
すかいらーくホールディングスの基幹店「ガスト」
パスタ、ピザ、ハンバーグ、中華などに特化したメニュー構成の他のファミレスと比較すると、和食と洋食や中華が混在した「ガスト」は、小さな子どもからお年寄りまでが一緒に利用できる「昔ながら」のファミレスとして、世代を超えたお客さんが通う店となっています。
和洋中があり、日替わりランチも安く、女性ウケするサラダの種類も多く、おしゃべりに最適なドリンクバーも充実し、デザートも多数揃っている「ガスト」は、メニュー構成がきめ細かく幅広い客層に対応していて、店舗数も多いので、「何を食べようか?」と迷った時に手軽に利用できるファミレスとして人気です。
株式会社松屋フーズホールディングス|吉祥寺周辺に本社がある企業(飲食業界編)
牛丼・カレー・定食などを販売する「松屋」などの飲食店をチェーン展開している「株式会社松屋フーズホールディングス」の本社は、「三鷹」駅前の「東京都武蔵野市中町1-14-5」にあります。
900店舗以上の基幹店「松屋(牛めし・カレー・定食・丼)」、200店舗以上の「松のや(とんかつ)」「松乃家(とんかつ)」、その他にもカレー・寿司・中華など、全国で1,200店舗以上のチェーン展開をしています。
松屋フーズホールディングスの歴史
1966年(昭和41年)に東京都練馬区羽沢の住宅街に「中華飯店 松屋」を開業し、1968年(昭和43年)に江古田に牛めし・焼肉定食店としての「松屋」を開店。
1999年(平成11年)に東京証券取引所市場第二部に上場し、2001年(平成13年)には東京証券取引所市場第一部に上場。
2006年(平成18年)には、本社を「東京都練馬区下石神井」から現在の「東京都武蔵野市中町1-14-5」に移転。
2012年(平成24年)には松屋フーズグループとして「1,000店舗」を達成し、2013年(平成25年)には「松屋」が「1,000店舗」を達成し、2016年(平成28年)には「創業50周年」を迎えました。
松屋フーズホールディングスの基幹店「松屋」
「松屋」のメニューの特徴として、同業の他社チェーンと比較すると「牛めし(牛丼)以外のカレーライスや定食などの比率が高い」ことが挙げられます。
1号店の江古田店の近辺は学校が多かったため昼間は学生で賑わい、ベッドタウンでもあることから夜は独身サラリーマンが戻ってくるという当時の土地柄を考慮して、「学生層向けの牛めしだけではなく、独身サラリーマン層向けには定食とカレーが必要」という考えの元、「牛めし」「定食」「カレー」の三本柱でメニューを構成することになり、現在もこの方針を維持しているからだそうです。
株式会社大戸屋|吉祥寺周辺に本社がある企業(飲食業界編)
「素材と店内調理にこだわった家庭料理」を提供している「大戸屋ごはん処」を経営している「株式会社大戸屋」の本社は、「三鷹」駅からほど近い「東京都武蔵野市中町1-20-8」にあります。
「大戸屋ごはん処」の店舗数は、2020年3月現在で直営147店舗・フランチャイズ200店舗の全347店舗。
さらに、タイを皮切りに台湾、インドネシア、香港、シンガポール、ニューヨーク、上海、ベトナムへと展開し、100店舗以上の海外店舗でも、日本発の定食が人気を集めています。
株式会社大戸屋の歴史
1958年(昭和33年)、東京タワーが完成したその年に、池袋に大衆食堂「大戸屋食堂」を構えたのが、大戸屋のはじまりです。
「全品50円均一」というユニークな経営を行い、連日千人を越すお客様の支持を受け、「50円食堂」という愛称で親しまれました。
1983年(昭和58年)には「和洋食の大戸屋」の店舗展開を目的として、東京都豊島区東池袋に株式会社大戸屋を設立。
1992年(平成4年)、「大戸屋ごはん処」吉祥寺店を全面改装して、「今後のモデル店」と決めました。
2005年(平成18年)には、海外1号店をタイ・バンコクのトンローにオープンして、海外展開をスタート。
2010年(平成22年)、本部を現在の「東京都武蔵野市中町1-20-8」に移転しました。
株式会社大戸屋の基幹店「大戸屋ごはん処」
「素材と店内調理にこだわった「大戸屋ごはん処」の定食メニューには、メインの惣菜の他にご飯と味噌汁、お新香、(メニューによっては小鉢も)がセットされますが、惣菜単品での注文も可能です。
丼ものとうどんまたは蕎麦のセットも、それぞれ丼・うどん・そば単品の注文が可能。
テーブルにはご飯にふりかける胡麻塩などが置かれていて、ドリンクバー、エスプレッソコーヒー(おかわり自由)、和のテイストの季節のデザートも用意されています。
まとめ|吉祥寺周辺に本社がある企業(飲食業界編)
日本全国にある「ガスト」や「大戸屋ごはん処」、牛めしの「松屋」といった、誰もが知っている大手飲食店チェーンの本社が、吉祥寺にほど近い武蔵野市にあることは、この調査を始めるまでは全く知りませんでした。
この他にも、「世界第6位」の計測・制御機器メーカーや、全国で約1,000校の有名大学受験予備校を経営している会社が、吉祥寺周辺に本社を構えていることが分かりましたので、業種別に順次ご紹介していきます。
現在の武蔵野中央公園に、かつては世界でも有数の飛行機工場があったことは、[【吉祥寺の歴史】武蔵野中央公園は戦闘機工場だった!]でご覧ください。
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