「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)|吉祥寺ってこんな街

吉祥寺かるた(ダイヤ街編)

本サイトの[CULTURE TIME|吉祥寺カルタ]でご紹介した「吉祥寺かるた」の体験記事として、[「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(井の頭公園編)][「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(公園口編)]に続いて、今回は【ダイヤ街編】をお届けいたします。

ダイヤ街

ダイヤ街は、吉祥寺駅の北口ロータリーから東急百貨店がある公園通り(吉祥寺通り)までを結ぶ約170mの「East zone」と「West zone」と、駅前の平和通りに抜ける約90mの「South zone」で構成されている、全長250m以上にもなるT字型の商店街です。

その歴史は古く、1953年(昭和28年)に吉祥寺地区では最初のアーケードとして「ローズナード(現・South zone)」が完成し、1974年(昭和49年)に「チェリーナード(現在のEast zoneとWest zone)」がオープンしています。

ダイヤ街の特長として挙げられるのは、吉祥寺でも指折りの行列店が多く、しかもある一角に固まって存在していることです。

今回は、その行列店集中エリアを中心に、探索していきたいと思います。

目次

「ね」ねりもので ちょっと立ち飲み 塚田さん|「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)

吉祥寺かるた「ね」

《塚田水産(おだし)》

昼間はおでん種や、すり身にエビなどを混ぜ込んでフライにした「吉祥寺揚げ」を製造・販売している塚田水産は、昭和5年創業の老舗。

夜になると「おだし」という立ち飲みのおでん屋に様変わりする。

吉祥寺駅の北口を出て、「サンロード」の入り口の左側、ドラッグストアの手前を左に入ったアーケードが、ダイヤ街「East zone」の入り口です。

ダイヤ街入口
左側の赤い看板のドラッグストアの手前を左に入ります

「East zone」を50mほど西に進むと、最初の行列店「塚田水産」が見えてきます。

塚田水産
塚田水産

昭和20年創業の同店は、「自家製・保存料不使用」にこだわった「おでん種」を、70年近く作り続けて来たそうで、店頭には吉祥寺名物の「吉祥寺揚げ」をはじめとする様々な「おでん種」がずらりとショーケースに並んでいます。

塚田水産
美味しそうなおでん種

素材の味をしっかりと活かした、自家製ならではの優しい味わいに仕上げられた「おでん種」は、「農林水産大臣賞」を2回受賞のお墨付き。

オンラインショップで販売している「おでん種セット」には、全国から注文が集まっているそうです。

住所東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
交通アクセス「吉祥寺」駅から徒歩2分
電話番号0422-22-4829
営業時間10:00~18:30
定休日年始のみ

「て」徹夜で羊羹|「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)

吉祥寺かるた「て」

《小ざさ》

一日150本限定販売で一人3本しか買えない小ざさの羊薬は、40年もの間、ほぼ毎日朝8時には売り切れ続けているという驚異的な商品。

オールで飲んだ後に羊薬買って帰るツワモノもいるとかいないとか?

「塚田水産」の隣には、『行列ができる羊羹』として有名な和菓子屋「小ざさ」があります。

小ざさ
昼間の「小ざさ」では、最中が買えます

税込760円の羊羹は、「先着50名(一人3本まで)」しか買えないというルールに従って、朝10時の開店に先駆けて、8時15分から番号札を配布するのですが、その番号札を入手するために、皆さん早朝から行列をつくるそうです。

小ざさの羊羹
「小ざさ」の羊羹

「平日なら6時に並べば大丈夫」とか、「6時半に並んでも買えなかった」とかの情報が半ば都市伝説化して、始発から並ぶ方もいるそうです。

「そんな苦労までして、買う価値があるの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、「小ざさ」の職人さんの羊羹に対する想いが同店の公式サイトに掲載されているので、ご紹介しておきます。

羊羹について

和生菓子の究極は羊羹にあるとのことですが、この道に70年の経験をつまれた西村翁が言われますには、「現在、羊羹の名工が少なくなり、また、大量生産方式の勃興などで、昔ながらの影がうすれた」とのことです。 最高の料理やコーヒー、その他のものでも、奥には驚くほどの苦心が、原料、技術、用具等に払われているそうです。羊羹におきましても同様に通り一遍では決して到達されないものがあります。 時代錯誤的に、非能率的な小鍋を使用し、高価な木炭を使っていることからお察しいただければ、原料の厳選、その配合、製法等に、どれだけの苦心をしておりますか、ご想像いただけると思います。

※現在、店頭のみのお取扱になります。

なお、店名「小ざさ」の読み方は、「こざさ」ではなく「おざさ」なので、お間違え無いように。

住所東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
交通アクセス「吉祥寺」駅から徒歩2分
電話番号0422-22-7230
営業時間10:00~19:30
定休日火曜日

「め」メンチカツの行列に 母が並んでいる|「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)

吉祥寺かるた「め」

《吉祥寺さとう》

高級和牛がぎっしり詰まった名物「さとうのメンチ」。

行列が絶えることはなくその長さは数十メートルになることも珍しくないが、並ぶ時間はさほどでもないので、まだ食べたことのない人はぜひ一度。

さとう
さとう

「小ざさ」から狭い路地を挟んだ隣が、国産黒毛和牛専門店「さとう」です。

「世界一おいしいステーキ」ベスト10を決めるドキュメンタリー映画で世界第3位に選ばれた、但馬血統のオリジナルブラン「いにしえの牛肉」を販売している同店ですが、名物はなんといっても「元祖丸メンチカツ」です。

元祖丸メンチカツ
元祖丸メンチカツ

「1個240円の熱々のメンチや、150円の激うまコロッケを求める方々の行列が1年中絶えることがない」と聞いてきたのですが、店頭には10人にも満たないお客さんしかいないので、「今日は並ばなくても買えるかな?」と思ってふと通りの反対側を見てみたら、何とそこには通りを隔てて店の北側に長蛇の列が。

さとう
メンチを買うための行列

まさに「吉祥寺かるた」の絵札のように、20人以上の方がメンチを求めて行列を作っていました。

当然私も並んで、揚げたての「元祖丸メンチカツ」を美味しくいただきました。

住所東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
交通アクセス「吉祥寺」駅から徒歩2分
電話番号0422-22-3130
営業時間10:00~19:00(メンチカツの販売は10:30から)
定休日年始のみ

「れ」レッツゴー 洞窟探検 くぐつ草|「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)

吉祥寺かるた「れ」

《COFFEE HALL くぐつ草》

ダイヤ街チェリーナードから洞窟のような階段を降りると、そこは時が止まった異空間のような喫茶店。

創立380年の人形劇団「結城座」の団員が開店したことから「くぐつ(あやつり人形)」の名がついたとか。

「さとう」から西の「West zone」を西に約70mほど歩いて、そろそろ東急百貨店側の出口が見えてくるあたりの左側、携帯ショップの脇に地下にと降りてゆく怪しい石段があります。

くぐつ草
「くぐつ草」へと降りてゆく石段

まるで魔宮へと続くかのような石段を下りてゆくと、そこにあるのは創業40年の老舗カフェ「COFFEE HALL くぐつ草」。

創立380年にもなる「江戸糸あやつり人形劇団 結城座」の劇団員の手により1979年(昭和54年)に開店し、以来40年間変わることなく吉祥寺で親しまれてきました。

まるで洞窟のような不思議な空間」が広がる店内は、街中の喧騒を忘れさせてくれます。

「くぐつ草」の店内
「くぐつ草」の店内

深い味わいのコーヒーやスパイシーなカレーなどの手づくりのオリジナルメニューを、ゆっくりと楽しめる居心地の良い空間です。

同店のブレンドコーヒーには、「オールドコーヒー(よく実った良質のコーヒー豆を2年以上自然乾燥させ、熟成したもの)」を使用しているので、「青豆をすぐ焙煎したコーヒー」のような酸味や荒味がない、フレンチローストのじっくりした味わいが楽しめます。

ストレートコーヒーで最近の一番人気は、コクのあるきれいな酸味と甘い香りが特徴の「キリマンジャロ」で、「ガテマラ」や「ブラジル」は上品な苦味と酸味のバランスが良く、常連客に愛されてる一杯とのこと。

ストレートコーヒーは注文してから一杯分ずつ手動のミルで挽くので15分程かかるそうですが、挽きたて淹れたての香りと味が楽しめます。

コーヒーの他にも、寒い季節なら濃厚な「自家製ココア」が、暑い季節にはキンと冷えた錫製のカップで供される「アイスコーヒー」が人気で、「酒好き」の方なら「アイリッシュコーヒー」や「カフェロワイヤル」「ラムアイスコーヒー」「リキュールアイスコー」ーなどのアルコール入りバリエーションコーヒーもおすすめです。

フードメニューでは、じっくりと炒めた玉葱の甘さがスパイシーさを引き立てる「くぐつ草カレー」が一番人気。

約10種類のスパイスを香りが立つように炒ってから麻袋に入れ、一日がかりで煮込んで作られるそうです。

そして、何よりも気になる「くぐつ草」という店名の由来は、同店の公式サイトに記されていたので、引用します。

くぐつ【傀儡】

異民俗集団であったとも、共同集団であったともいわれていますが、権力と直結しない自由の民であったといわれています。

農業、鉱物、芸能など幅広いジャンルの集団で、彼らは、流浪の民であり、『傀儡(くぐつ)』と総称されていました。

その集団のひとつに『人形つかい』達が存在し、現在では『人形つかい』の代名詞として『傀儡師(くぐつし)』と呼ばれています。

くぐつ草は、人形劇団 結城座の立ち上げたお店のため、『くぐつ』と名付けられました。

『草』は後から付けた造語で、地下の店内に緑が少ないから…とか、吉祥寺の街に根付くように…など、 諸説あります。

よくお客様より「くぐつ草」という草は本当にあるのかと聞かれますが、くぐつ草は皆様の心の中に息づいていけたら、と思います。

住所東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 島田ビルB1F
交通アクセス「吉祥寺」駅から徒歩3分
電話番号0422-21-8473
営業時間10:00~22:00
定休日年中無休

まとめ|「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(ダイヤ街編)

今回は、「吉祥寺かるた」の中から「ダイヤ街」にある」にあるスポットを探索してみましたが、吉祥寺で指折りの行列店が集まっている一角の光景は圧巻でした。

今回は探索できなかった「South Zone」にも、ディスカウント業界のパイオニア「ロヂャース」が展開している「ロヂャース1」「ロヂャース2」「ロヂャース3」の3店舗など、ユニークなお店が色々ありそうです。

「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(井の頭公園編)][「吉祥寺かるた」を実際に体験してみた(公園口編)]と続けてきた「吉祥寺かるた」の体験レポートはまだまだ続きます。

さて、次はどこを巡ってみようかな?

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