吉祥寺を支えてきたあの人、あの店主 Vol.6~MA-RI-NO店主 マリノさん~

今会い マリノ

マリノさんとの出会いは15年前。

私が当時バイトしていたハモニカ横丁の店に毎日飲みにくる常連さんだった。

年齢に関係なく誰に対しても気さくに話かけてくれるので、マリノさんがいるだけでパッと場が華やぐ。

媚びることなく、いつも自然体で、多くの人に愛される稀有な存在。

そんなマリノさんは、ハモニカ横丁内で、洋服店「MA−RI−NO」を経営している。「お店を出したのは、子育てが一段落して、何か新しいことを始めようと思ったのがきっかけ。

昔から洋服が好きで、以前ハモニカ横丁にあった『TIGER MAMA』によく通っていたこともあり、1991年にこの場所に店を出すことを決めました。でも最初は何もわからず、アパレル業界に何の伝手もなかったので、ファッション雑誌をたくさん見て、自分が素敵だと思ったメーカーに問い合わせて、取引をお願いした(笑)。

こんな方法で服を仕入れ始めた人って、あまりいないんじゃないかな? でも自分が好きだと思うものだけを売りたいし、それは今も変わらない。

トレンドに左右されず、長く愛用できるものだけを取り扱っています」吹き抜けの空間に上質なデイリーウエアがディスプレイされたスタイリッシュな造り。

飲み屋が多く集まるハモニカ横丁にあるとは思えないほどおしゃれな店だが、オープンな店構えで入りやすく、雑多なハモニカ横丁の雰囲気に溶け込んでいる。

フレンドリーで親しみやすいマリノさんに会いたくて、晩御飯の買い物ついでや、飲みに行く前などにふらっと遊びに来るお客さんも多い。これもマリノさんの人柄だろう。

そういえば10年前にマリノさんとパリ旅行に行った時もそうだった。

フランス語が全く話せないのに、なぜかマリノさんの周りには現地の人が集まってきた。

人柄の良さは国境を越えても伝わるものだと感じた瞬間だった。

78歳になった今も、お店に立ち、展示会にも足を運び、飲みにも行く。

そのエネルギーの源とは。

「単純に好きだから。最初は何もわからず、ただただ服が好きという理由だけで始めたけれど、好きだからこそ飽きずに続けられてきた。恥ずかしい思いもたくさんしてきたけど、それでも毎日が楽しい。好きだから仕事もするし、飲みにも行く。ただそれだけかな~」

ハモニカ横丁の仲見世通りにある「MA-RINO」。居酒屋、花屋の並びにあり、通りはいつも活気に満ち溢れています。

日本のメーカーのものを中心に、洗練された大人の女性に刺さるタイムレスなワードローブを提案しています。

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