気持ちがいい晴天なので、街に飛び出したくなりました。歩いてみたい街は「吉祥寺」。
「まず、どこから歩き出そうかな?」としばし考えて、色々なお店に出会えそうな、駅北側のメインストリート「サンロード」を探索してみることにしました。
今日の目的は、大好きな「ラーメン」の店を中心にした、「サンロード」の気になるスポットのチェック。
見つけたお店には、時間を作って改めて来訪しようと思います。
サンロード入り口(駅側)
駅側「サンロード」の入り口の大看板が、江口寿史先生が描いた美少女から「りえぞう(西原理恵子)先生」のイラストに変わっていました。
アーケード内のフラッグもすべて西原先生のイラストで、サイバラワールド全開な明るい商店街「サンロード」を演出しています。
まち案内所
アーケードに入って、少し歩いた右側には「まち案内所」がありました。
50インチのデジタルサイネージで簡単に情報検索ができ、吉祥寺にある色々な「通り」のガイドブックや、観光ガイド、駐車場のマップまで置いてあるので、ここに来れば「サンロード」のことなら何でも教えてもらえそうです。
吉祥寺「まち案内所」には、営業中は常時2名の案内人(コンシェルジュ)が待機していて、最新の「サンロード」情報を元に、吉祥寺の案内をしていただけるそうです。
<営業時間>11:00~18:30(元日のみ休業)
シュープラザビル地下
左側の大型靴店「シュープラザ」の地下には、色々な飲食店が揃っているようです。
街中華から日本蕎麦、とんかつ、しゃぶしゃぶ、イタリアンなど、何でも揃った、一度ゆっくり探索に来なければならない地下街のようです。
ホープ軒本舗
シュープラザビルの少し先の右側の路地をのぞきこむと、赤色の文字で『ホープ軒本舗』と書かれた黄色い暖簾が見えます。
こここそが、「東京豚骨醤油ラーメンの先駆け」といわれている、かの有名な「ホープ軒本舗 吉祥寺店」です。
こちらには改めて、思いっきりお腹を空かせて、食べに来ようと思います。
「ホープ軒本舗 吉祥寺店」は、戦前の1935年頃(昭和10年頃)に創業された、「背脂豚骨醤油ラーメン(東京の背脂チャッチャ系ラーメン)の始祖といわれているラーメン店です。
創業者が屋台を引いていた時に、自らが屋台を引く一方でラーメン店をやりたい人に屋台を貸したので、都内に『ホープ軒』を掲げた屋台が一気に増加。
その貸し屋台から店舗を構えるようになった中には、千駄ヶ谷にある「ホープ軒」や、環七ラーメン戦争を牽引した「土佐っ子」、恵比寿で一大旋風を巻き起こした「香月」などがあるそうです。
外口書店
路地からアーケードに戻って、少し歩いた右側には古書店がありました。
「100円本」コーナー、「200円本」コーナーがあり、素通りできません。
「200円本」コーナーで、最近はまっている日本の「妖怪」に関する文庫本を見つけたので、迷わず購入しました。
一蘭
さらに歩いた左側には、とんこつラーメンの名店「一蘭」の真っ赤な看板がありました。
ここに来る時も、充分にお腹を空かせた状態で訪れて、スープまですべて飲み干すつもりです。
「一蘭」は、1960年(昭和35年)に福岡県福岡市で屋台から始まった「博多豚骨ラーメン」の老舗。
専用の「オーダー用紙」で、「味の濃さ」「こってり度」「ニンニクの量」「ネギの種類」や「麺の固さ」などを選べる、一人一人の好みに合わせた「オーダーメイド」のラーメンがいただける店としても有名です。
本町新道を渡る
「サンロード」の中間地点あたりで「本町新道」を渡って、五日市街道側のアーケードへと進むと、左側に大きな「吉祥寺サンロードごあんないマップ」が見えてきます。
探しているお店の場所が分からなくなったら、ここでこのマップを見れば万事解決。
そういえば、「サンロード」に入ってすぐのところにあった「まち案内所」に、「サンロードガイドマップ」が置いてあったので、あれをもらっておくのもお店探しの役に立ちますよ。
吉祥寺聘珍楼
本町新道を渡って最初の右側の路地を入ったところには、横浜の中華街でも老舗中華料理店として有名な「聘珍楼」の吉祥寺店があります。
今度こちらに来るときは、できるだけ大勢の仲間と一緒に来て、豊富なメニューのあれこれを丸テーブルいっぱいに並べて、「満漢全席」といきたいものです。
1884年(明治17年)に張姓の華僑が横浜の中華街に中国料理店「聘珍楼」を開業しました。
以来、日本に現存する最古の中国料理店として、都内各所や小倉、大阪に支店を開いて営業しています。
中華街の中でも創業以来同じ屋号で、現在の中華街大通りに面する同じ敷地で営業を続けているのは、「聘珍樓」を含む2店舗しか存在しないそうです。
店名の「聘珍樓(へいちんろう)には、「聘=迎える心」「珍=尊ぶ心」との意味と、「良き人、素晴らしき人が集まり来る館」という意味があるそうです。
月窓寺
アーケイドの中ほどに進んだ「西友」の向かい側には、ひと際立派な山門が見えてきます。
この大規模商店街「サンロード」に面しているという珍しいロケーションのお寺は、曹洞宗の「雲洞山 天暁院 月窓寺」です。
同様に「吉祥寺」の駅前にある「安養寺」「光専寺」「蓮乗寺」と合わせて『四軒寺』と呼ばれています。
そもそも明治時代に甲武鉄道(現在のJR「中央線」)の「吉祥寺」駅ができる際に、当初は五日市街道と交差している本宿地区に駅を開設しようという計画だったそうです。
しかし地元の反対にあって断念せざるを得なかったので、四軒寺に協力のお願いをして、四軒寺のうちの「月窓寺」「蓮乗寺」「光専寺」の所有地であった現在の場所に「吉祥寺」駅を開設することができたという歴史があったのです。
ですから、「『サンロード』に寺の山門がある」のではなく、「もともとは寺の敷地だった場所に、大商店街ができた」のが「サンロード」なのです。
東北物産館
月窓寺を過ぎてさらに「サンロード」を五日市街道に向かって歩いて行くと、左側の不動産屋さん脇の階段に「東北物産館」という幟が立ててあったので、気になって2階に上ってみました。
そこには部屋いっぱいに、東北の各県から集められた特産品や食品がずらりと並べられていました。
缶詰め・甘露煮・漬物・冷凍食品などの加工品や、飴・おかき・せんべい・ジュース・天然水などの菓子・飲料、醤油・味噌・ドレッシング・ソース・ハチミツなどの調味料など、東京では手に入りそうもない「陸奥(みちのく)の味の宝庫」です。
一つひとつをじっくり見るには時間が無かったので、改めての再訪を誓って、「サンロード」に戻りました。
未来日本酒店
「サンロード」をさらに進むと右側に「未来日本酒店」というお洒落な造りのお店が見えたので、迷わず入ってみました。
こちらのお店には、全国から取り寄せた日本酒が常時160種類以上並んでいて、店内にあるカウンター席で飲むこともできるとのこと。
新しい愛飲層や若い世代に日本酒のおいしさを知ってもらおうと、若者が多い街、吉祥寺でオープンしたというこの「未来日本酒店」では、日本でここでしか販売していない9種類のお酒をはじめ、東京都内ではほとんど並ばない幻の銘柄も複数取り扱っているそうです。
「未来日本酒店」では、「YUMMY SAKE(ヤミーサケ)」という、人工知能がお客さま好みの日本酒を選ぶサービスを行なっています。
商品名や味に関する情報は一切伝えず、最初に10種類の日本酒をブラインドテイスティングしてもらい、自分自身の舌で感じたままにスマホアプリで点数を付けると、その結果を人工知能が分析して、おすすめの一杯を選んでくれるそうです。
サンロード出口(五日市街道側)
「未来日本酒店」にも再訪を誓ってしばらく歩くと、いよいよ「サンロード」の五日市街道側の出口へと到着しました。(もちろん、五日市街道側から「サンロード」に入った方にとっては、こちらが「入り口」ですね)
まとめ
五日市街道を渡って駅側を振り返ってみると、あらためてこの約300mの都内屈指の大商店街「サンロード」の規模の大きさと、お店の種類の多彩さに驚かされた思いがします。
今回紹介しきれませんでしたが、老舗の鰻屋さんや大衆食堂、大規模スーパーからお客さんが群がる狭い間口の八百屋さんなど、気になるお店がまだまだ「サンロード」にはたくさんありました。
こんな都内の駅前なのに、お洒落なファッションや雑貨の店だけでなく、生活に必要な食料や日用品のお店が多いのも、吉祥寺が「生活者の街」だからかもしれませんね。
とりあえず、今回チェックしたスポットは、日を改めてじっくり取材したいと思いますが、これ以外にも「サンロードにはこんなお店があるよ」というような地元情報がありましたら、「吉祥寺ってこんな街」までぜひお知らせください。