フルーツサンドといえば、羽毛のようなパンに、綿のようなクリームと宝石のような果物が挟まれた夢の食べ物です。
近年では、よりフルーツをふんだんに使ったものが注目を浴び、私たちにとっていっそう身近な存在になりました。
幸せを凝縮したような味に加え、「萌え断」とも称される色鮮やかな断面は見た目にも楽しく、私たちの心を鷲掴みにして離しません。
そんなフルーツサンド流行の波は、もちろん吉祥寺にも押し寄せています。
ここ数年でフルーツサンドを食べられるお店が増加している吉祥寺は、フルーツサンド戦国時代に突入していると言っても過言ではないでしょう。
そこで今回は、吉祥寺駅の周辺でフルーツサンドが食べられるお店を3つ、筆者の体験レポートも交えながらご紹介します。
混迷を極める戦いに、あなたの舌をもってぜひ参戦してみてください。
フルーツサンドの発祥とは
実をいうとフルーツサンドは、かなり歴史のある食べ物なんです。
横文字風ではあるものの、「フルーツサンド」「フルーツサンドウィッチ」は和製英語。
その発祥は、明治初期の日本に誕生した「フルーツパーラー(果物や果物を使った料理を提供する喫茶店)」であり、最初にメニューとして扱いはじめたのは東京の店舗であるとも、京都の店舗であるともいわれています。
当時は高級品かつ贈答品の定番であった果物を、フルーツパーラーがあえてパンに挟んで提供したことで、まずは贅沢品として、しだいに嗜好品として普及していったとのことです。
吉祥寺でフルーツサンドが食べられるお店3選
吉祥寺駅周辺には、フルーツサンドを食べられるお店が点在しています。
今回はそのなかでも、駅から徒歩5分以内で行けるお店を3つ紹介します。
行列のできる人気店からこだわりの果物を使っているお店まで、軽率に幸せをチャージするにはもってこいです。
吉祥寺Berry coco(ベリーココ)
「Berry coco(ベリーココ)」は、吉祥寺駅公園口から3分ほどのところにある、「フルーツ創作ダイニング」という新しい形態のお店です。
オーナーの実家である山梨県直送のフルーツを使用し、オリジナル創作料理やパフェ、ケーキ、焼き菓子を提供しています。
店内はフルーツの香りで満たされていて、入店の瞬間から幸福感が押し寄せます。
カウンター6席、テーブル8席、座敷8席を備えた店内には、お子様も歓迎とのこと。
訪問した日は混み合っていて、筆者が入店した直後には満員になりました。
来店の際には予約しておくのが無難かもしれません。
お客さんの年齢層はまちまちですが、やや女性の方が多い印象を受けました。
メニューはフルーツを使った料理が中心ではあるものの、自家製ローストビーフのサンドウィッチだったり、フルーツ創作ダイニングの名の如く、ご飯メニューにフルーツを取り入れた「チキンとオレンジのオーブングリル」だったりと、甘いもの以外も充実しています。
季節のMIXサンドと迷いましたが、まずはオーソドックスなものをと、フルーツサンド(1,100円)を注文します。
待っている間に出されたお冷には、レモンではなくオレンジが。
甘く爽やかな香りに、フルーツサンドへの期待が高まります。
フルーツサンドのプレートには、はちきれんばかりのフルーツとクリームが挟まれたフルーツサンドが3つと、レタスのサラダ、スイカと桃とグレープフルーツの盛り合わせが乗っていて、鮮やかな色合いが食欲をそそります。
フルーツサンドは持ってみると重く、パン越しでも中身が超満員であることが伝わってきました。
明らかに口のキャパシティを超えているフルーツサンドを頬張ると、何種類にもおよぶフルーツの果汁が弾けます。
Berry cocoでは注文を受けてからフルーツをカットしているため、そのみずみずしさが異次元です。
パンの耳は食感のアクセントに、甘さ控えめのクリームはフルーツの甘みを邪魔しません。
テイクアウトにも対応しているとのことで、店内の予約が取れない場合にも便利です。
住所 | 〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2丁目6−2 末広ビル 1F |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅から徒歩3分 |
電話番号 | 0422-26-9354 |
営業時間 | 月、水~日、祝日、祝前日:11:00~20:00 (料理L.O. 19:00 ドリンクL.O. 19:00) ランチタイム:11~14時(L.O. 14:00) |
休業日 | 火曜日 |
果樹園リーベル 吉祥寺店
「果樹園リーベル」は吉祥寺駅北口から徒歩5分、東急百貨店の3Fにあるフルーツパーラーです。
「果樹園」といいつつ、デザート以外も充実。
14時30分までであれば、フリードリンクつきのランチがあるのも魅力的です。
休日の夕方ごろ訪問すると、お店の前には長蛇の列が。
数十分の順番待ちの末、朗らかなお姉さんに案内されて入店します。
店内は広く清潔感があり、かなりの数のお客さんが入れるようでした。
着席したカウンター席は見晴らしが良く、目でも楽しめます。
フルーツサンド(1,180円)を注文します。
注文後すぐに出てきたプレートには、フルーツサンドに加え、サラダにオレンジ、パイナップル、グレープフルーツが付け合わせで乗っていました。
フルーツサンドは1プレートに6つも乗っており、ひとつひとつが小さめで食べやすそうな大きさです。
口に運ぶと、甘さと酸味の絶妙なバランスに驚きました。
さわやかで濃厚な味が口のなかに広がり、子犬の毛並みを思わせる感触のパンは、すぐに溶けてなくなります。
サイズ感も相まって、完食にそれほど時間はかかりませんでした。
こちらのフルーツサンドも、テイクアウトが可能とのことです。
住所 | 〒180-8519 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目3 東急百貨店3F |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅から徒歩5分 |
電話番号 | 0422-27-6118 |
営業時間 | 月~日、祝日、祝前日:10:30~19:00 (料理L.O. 18:30 ドリンクL.O. 18:30) |
休業日 | 東急百貨店に準ずる |
先手屋 吉祥寺(PONTEYA)
吉祥寺駅北口から徒歩3分、プチロードに佇むのが、テイクアウト専門のフルーツサンド店「先手屋 吉祥寺(PONTEYA)」です。
フルーツサンドの看板を目印に訪問します。
テイクアウト専門店なので、店内はシンプルなつくりです。
「COSTA COFFEE」も一緒にテイクアウト可能とのこと。
フルーツサンドとセットで頼めばお得にいただけるようです。
この日店頭に並んでいたフルーツサンドは、全部で7種類。
大きくカットされたフルーツの見栄えが華やかで、その断面はまさに「萌え断」です。
フルーツは、6都県にまたがって展開する関東最大級の八百屋「丸八青果」のプロが目利きしたもののみを使用し、クリームも北海道産のオリジナルクリームを使用しているとのこと。
筆者は今回、夏季限定で並んでいた「プラム」のフルーツサンド(518円)を購入。
フルーツの移り変わりで季節を感じるのも、なかなか乙なものですね。
果肉を心ゆくままに頬張ると、小気味良い食感とともに、果汁のジュースが口内を満たします。
それはまるで、フルーツを丸齧りしているかのよう。
あとから来るプラムの刺激的な酸味は、クリームの涼しげな甘味が包み込みます。
口のなかで甘味と酸味が作りだす調和に、心と体が幸福感で満たされました。
武蔵野市緑町に2号店もオープンしたとのこと。
焼き芋やプリンといった変わり種サンドウィッチも人気のようです。
住所 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目8−14 マルコポーロビル1F |
交通アクセス | 「吉祥寺」駅から徒歩3分 |
お問い合わせ | 公式Instagramもしくは公式LINEより |
営業時間 | 11:30〜18:00(今後変更や売り切れ次第終了もあり) |
休業日 | 不定休 |
三位一体の美味しさを吉祥寺で手軽に
フルーツサンドにおいては、素材ひとつひとつが主役です。
フルーツ、クリーム、パンが絶妙な配分で響きあえば、それぞれのポテンシャルを超える可能性だって秘めているでしょう。
日本の歴史とともに独自の発展を遂げてきたフルーツサンドには、歴史のなかで私たちが求め続けてきた何かも垣間見えるかもしれません。
その魅力は、甘味のなかにあって唯一無二です。
吉祥寺でフルーツサンドを食べながら、明治や大正時代に思いを馳せてみませんか?
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